VMax V2 レビュー

Smoketechの『VMax』は発売前からスタイルや機能がProVariに似ていることから話題を呼んでいましたが、いよいよショップでの流通が開始され、さらに電圧計の設計が見直されたとするVMax V2が入手可能になっています。
今回は沼田茶舗さんのご協力により本体をお借りすることができましたので早速レビューさせていただきます。
なお、こちらの製品は7月に開催される「ご愛顧感謝キャンペーン」の景品としてプレゼントされるそうですのでお楽しみに!
■メカニカル
ProVariに似ているというからには、やはり比較せざるを得ませんよね。
VMaxの全長はProVariに18650用のエクステンションを装備したときとほぼ同様、太さはProVariよりわずかに細くなっています(恐らく2mm程度)。ボトム面にはガス抜き穴が開けられています。


重量はやや軽く以下のようになっています。ProVariはエクステンションをつけている分重たくなっていますが、それでもVmaxは非常に軽く、ProVari Miniのバッテリーを抜いたときくらいの重さ。
VMax 118g(バッテリー込) 77g(バッテリー無)
ProVari 169g(バッテリー込) 125g(バッテリー無)
アトマイザーの接続部は標準的な510、こぼれたリキッドを保持するウェルも深くこの構造自体は好感が持てます。試したアトマイザーやカトマイザーとの接続は非常によく、トラブルを感じません。ひとつだけ難を言えば、口金そのものにペイントがほどこされているため、使用していくうちにペイントが剥げてしまうだろう点でしょうか。

バッテリーはProVariとは異なり18350のスタック方式になります。付属のバッテリーはフラットなLi-ionのためスタックを嫌う方も多いですが、AW製のLi-Mnを使用することも可能です。VMax V1のときにはボトムキャップの構造上AWバッテリーを使用することができなかったのですが、V2で改善されています。


最後に外観でProVariと異なる部分として、VMaxはボタンの位置がLEDディスプレイと同じ側に設置されています。ProVariはその逆になっていますが、これは好みが分かれるところかも知れませんね。


■エレクトロニクス
VMaxのメニューシステムを説明します。
ボタンは1つしかありませんので、ProVariと同様の構造になっています。ボタンを3回クリックするとメニューモードに入り、全部で6つメニューから設定が可能です。
【1】Vu(Voltage Up) … 3.0~6.0Vの間で0.1V刻みで電圧を上昇
【2】Vd(Voltage Down) … 3.0~6.0Vの間で0.1V刻みで電圧を下降
【3】So(Switch On) … ON/OFF設定で主電源をオンオフ
【4】Vc(Voltage check) … 現在のバッテリー残量を表示
【5】dS(Display Setting-) … do/dA/dv 通電電圧/抵抗値/残電圧を表示
【6】Vc(LED On) … スイッチ部のブルーLEDのオンオフ
設定項目は多くProVariに近い機能を提供しています。カトマイザーの抵抗値を表示できる機能はProVari以外で初めてではないでしょうか。ただしディスプレイセッティングにはOFF表示がないため、通電させるときには常にLEDが光ることになります。6つ目のLEDオフを使えばオフにできそうですが、これはボタン自体についているブルーのLEDをオフにするだけのため、やはりディスプレイ自体は光ることになります。

VMax V2は可変電圧のバッテリーMODですが、ProVariが昇圧方式のレギュレーションを行うのに対して、VMaxではパルス幅モジュレーション(PWM)方式で電圧を調節します。以前にレビューしたEVOと同様の方式になります。
いつも通りに1.5、2.0、3.0Ωのカトマイザーを使用してオシロスコープで計測した結果をグラフにします。

計測して分かったのは、負荷のない状態の電圧を設定よりも上げておくことで、カトマイザーを使って抵抗を掛けた時の電圧下降をほぼ設定どおりに持っていこうとしているように見受けられます。つまりAccSetのような計算をしているわけではなく、あらかじめ抵抗分を盛って電圧を発生させています。
グラフの白いラインが設定電圧、一番上のVMaxラインが負荷なしの電圧になります。3種類のカトマイザーを試した結果はご覧のように、やや下回るもののほぼ設定電圧に近い形になっています。
電圧設計上はこれでよいのかも知れませんが、次のこちらの図をみてください。



1つ目は3V設定時、2つ目は6V設定時のパルス図です。一番下のVavgがそれぞれ3Vと6Vに近くなっていますが、注目すべきはVmaxの高さです。スタックで8V足らずの電圧を9Vまで引き上げ、Dutyサイクルを低めに設定して3-6Vまでを実現させています。設計上は確かに平均値で目標電圧にになりますが、ピーク電圧はさすがに高すぎます。ちなみに電流上限は5ampですので、どんなコイルをつけたとしてもカットオフされることはありません。逆にこのピークと高い上限に耐えられるアトマイザーはないと思われます。
例えば、電熱式のヒーターはサーモスタットで温度を監視して熱くなりすぎれば通電を止めて温度を下げます。温度が下がり過ぎれば通電して温度を上げて部屋の温度を一定に保とうとします。PWMは同様に一定の電圧を維持してくれますが、サーモスタットとは異なり部屋の温度はみてくれません。1秒間に数百回という周波数でON/OFFを繰り返しているため、コイルの温度が上がり過ぎる可能性があり、さらに3枚目のパルスをみていただければわかるように、パルスの発生が非常に不安定にふらつきます。その結果、特にパルスが近すぎる場合のコイル温度が上がってしまう傾向があるのだと考えます。
先に結論を書いてしまいましたが、高い電圧に設定したVMaxは非常に吸い心地が辛く、カトマイザーの温度もかなり上昇します。ほとんどの場合は3.0設定で問題なく吸えるという結果で、あまりグラフで電圧がどうのこうのという結果とは無縁と思っていただいてよいかも知れません。VMax V2ではこの問題がてっきり解決しているのかと思っていましたが、ほぼそのままのようです。
■まとめ
VMaxはよくも悪くも話題を呼んだ製品なのは間違いありません。機能面で見ればProVariに匹敵するメニュー構造を持ち、メタルボディの構造は以外にしっかりしています。電子部分での扱いにくさに目をつぶるならばナシではない製品ですが、市場価格で約$120程度というところがどう響くかですね。
バッテリー保護機能は一通りついていますので安心ですが、スタックバッテリーというそれだけで設定を嫌う層には厳しいです。ただし、750mAhを2本使用していますのでバッテリーの持ちはかなりよく、1日使っていても切れることはありませんでした。
提供先:沼田茶舗
ProVariに似ているというからには、やはり比較せざるを得ませんよね。
VMaxの全長はProVariに18650用のエクステンションを装備したときとほぼ同様、太さはProVariよりわずかに細くなっています(恐らく2mm程度)。ボトム面にはガス抜き穴が開けられています。


重量はやや軽く以下のようになっています。ProVariはエクステンションをつけている分重たくなっていますが、それでもVmaxは非常に軽く、ProVari Miniのバッテリーを抜いたときくらいの重さ。
VMax 118g(バッテリー込) 77g(バッテリー無)
ProVari 169g(バッテリー込) 125g(バッテリー無)
アトマイザーの接続部は標準的な510、こぼれたリキッドを保持するウェルも深くこの構造自体は好感が持てます。試したアトマイザーやカトマイザーとの接続は非常によく、トラブルを感じません。ひとつだけ難を言えば、口金そのものにペイントがほどこされているため、使用していくうちにペイントが剥げてしまうだろう点でしょうか。

バッテリーはProVariとは異なり18350のスタック方式になります。付属のバッテリーはフラットなLi-ionのためスタックを嫌う方も多いですが、AW製のLi-Mnを使用することも可能です。VMax V1のときにはボトムキャップの構造上AWバッテリーを使用することができなかったのですが、V2で改善されています。


最後に外観でProVariと異なる部分として、VMaxはボタンの位置がLEDディスプレイと同じ側に設置されています。ProVariはその逆になっていますが、これは好みが分かれるところかも知れませんね。


■エレクトロニクス
VMaxのメニューシステムを説明します。
ボタンは1つしかありませんので、ProVariと同様の構造になっています。ボタンを3回クリックするとメニューモードに入り、全部で6つメニューから設定が可能です。
【1】Vu(Voltage Up) … 3.0~6.0Vの間で0.1V刻みで電圧を上昇
【2】Vd(Voltage Down) … 3.0~6.0Vの間で0.1V刻みで電圧を下降
【3】So(Switch On) … ON/OFF設定で主電源をオンオフ
【4】Vc(Voltage check) … 現在のバッテリー残量を表示
【5】dS(Display Setting-) … do/dA/dv 通電電圧/抵抗値/残電圧を表示
【6】Vc(LED On) … スイッチ部のブルーLEDのオンオフ
設定項目は多くProVariに近い機能を提供しています。カトマイザーの抵抗値を表示できる機能はProVari以外で初めてではないでしょうか。ただしディスプレイセッティングにはOFF表示がないため、通電させるときには常にLEDが光ることになります。6つ目のLEDオフを使えばオフにできそうですが、これはボタン自体についているブルーのLEDをオフにするだけのため、やはりディスプレイ自体は光ることになります。

VMax V2は可変電圧のバッテリーMODですが、ProVariが昇圧方式のレギュレーションを行うのに対して、VMaxではパルス幅モジュレーション(PWM)方式で電圧を調節します。以前にレビューしたEVOと同様の方式になります。
いつも通りに1.5、2.0、3.0Ωのカトマイザーを使用してオシロスコープで計測した結果をグラフにします。

計測して分かったのは、負荷のない状態の電圧を設定よりも上げておくことで、カトマイザーを使って抵抗を掛けた時の電圧下降をほぼ設定どおりに持っていこうとしているように見受けられます。つまりAccSetのような計算をしているわけではなく、あらかじめ抵抗分を盛って電圧を発生させています。
グラフの白いラインが設定電圧、一番上のVMaxラインが負荷なしの電圧になります。3種類のカトマイザーを試した結果はご覧のように、やや下回るもののほぼ設定電圧に近い形になっています。
電圧設計上はこれでよいのかも知れませんが、次のこちらの図をみてください。



1つ目は3V設定時、2つ目は6V設定時のパルス図です。一番下のVavgがそれぞれ3Vと6Vに近くなっていますが、注目すべきはVmaxの高さです。スタックで8V足らずの電圧を9Vまで引き上げ、Dutyサイクルを低めに設定して3-6Vまでを実現させています。設計上は確かに平均値で目標電圧にになりますが、ピーク電圧はさすがに高すぎます。ちなみに電流上限は5ampですので、どんなコイルをつけたとしてもカットオフされることはありません。逆にこのピークと高い上限に耐えられるアトマイザーはないと思われます。
例えば、電熱式のヒーターはサーモスタットで温度を監視して熱くなりすぎれば通電を止めて温度を下げます。温度が下がり過ぎれば通電して温度を上げて部屋の温度を一定に保とうとします。PWMは同様に一定の電圧を維持してくれますが、サーモスタットとは異なり部屋の温度はみてくれません。1秒間に数百回という周波数でON/OFFを繰り返しているため、コイルの温度が上がり過ぎる可能性があり、さらに3枚目のパルスをみていただければわかるように、パルスの発生が非常に不安定にふらつきます。その結果、特にパルスが近すぎる場合のコイル温度が上がってしまう傾向があるのだと考えます。
先に結論を書いてしまいましたが、高い電圧に設定したVMaxは非常に吸い心地が辛く、カトマイザーの温度もかなり上昇します。ほとんどの場合は3.0設定で問題なく吸えるという結果で、あまりグラフで電圧がどうのこうのという結果とは無縁と思っていただいてよいかも知れません。VMax V2ではこの問題がてっきり解決しているのかと思っていましたが、ほぼそのままのようです。
■まとめ
VMaxはよくも悪くも話題を呼んだ製品なのは間違いありません。機能面で見ればProVariに匹敵するメニュー構造を持ち、メタルボディの構造は以外にしっかりしています。電子部分での扱いにくさに目をつぶるならばナシではない製品ですが、市場価格で約$120程度というところがどう響くかですね。
バッテリー保護機能は一通りついていますので安心ですが、スタックバッテリーというそれだけで設定を嫌う層には厳しいです。ただし、750mAhを2本使用していますのでバッテリーの持ちはかなりよく、1日使っていても切れることはありませんでした。
提供先:沼田茶舗