iDriperレビュー

沼田茶舗で発売された『iDriper』はグラスファイバーを使用するリビルダブルアトマイザーです。
設計上は他のリビルダブルと異なる点は少ないのですが、大きな特徴として日本国内で入手が可能ということがあります。しかもその価格は1,320円(税63円)と破格!これまでのリビルダブルの常識を大きく破る価格破壊が起きています。実はこれ、Modderによる逸品ではなく工場の大量生産によって可能になったもののようです。
Modder対Mass Prodcution、どのような結果になるのでしょうか。
■構造など
寸法は14mm、バッテリーコネクターを除き高さは30mmと非常にコンパクトです。カートリッジを使わない直ドリ専用のアトマイザーのためコンパクトさが実現されています。コネクターは標準的な510、ドリップチップは付属しますが同様に510の好みのものを装着可能です。ドリップチップはややきつめで、手持ちのものの中でやはり金属製のT-Tipsは入れることがほぼ不可能でした。ただし、Line V2ほどの狭さではないので、多くのドリップチップがそのまま使えると思われます。(少々ヤスリで削ることでT-Tipsでも入るようになりました。)

キャップを外すとアトマイザーが姿を現します。キャップのエアホールは1mm以下ですが私にはちょうどよい吸い心地です。必要であればピンバイスなどで拡張は容易に可能と思われます。


既存のコイルとウィックのまま吸ってみようと思いますが、抵抗値は2.2ΩでぴったりLR、4.0Vで試してみたところ非常にまろやかな味でした。もちろんウィックがリキッド切れを起こす頃にはファイバーの香りが届いてしまうため、結構頻度よくリキッドを補充する必要があります。
■セットアップ
吊るしのまま吸っていてもレビューにならないので、早速巻き直してみたいと思います。
先に結論をいいますと、結果が気に食わず3回巻き直すことになりました。ので順を追ってご説明します。
その1:3mmファイバー
先日のファイバーウィック比較で見事な成績を収めたドイツの3mmウィックを使用します。


アトマイザーの構造としては、RDAやSattysと同様に空洞の電極にワイヤーを通して上からネジで固定するスタイル。コイルがセンターへ来るようにして固定します。異なる点は、ワイヤー固定部からかなり下までウィック、つまりリキッドを貯められるようになっている部分です。通常、直ドリのリビルダブルはMark-Tなどもそうですが平面にウィックを置いて吸わせるパターンが多いのですが、堀の中にウィックごと入れてしまうという発想はなかったです。どちらかというと危険な香りがします。
ネジの大きさはRDAやSattysに比べてもやや小さいため苦労するかも知れませんが、思ったよりは簡単にセットアップができます。ファイバーですのでワイヤーの取り回しにもそこまで気を配る必要もなく、ホットスポットも発生しにくいのが楽なところです。



少しファイバーをバーナーで焼いてから0.2mmのKanthalワイヤーを巻きます。ちょっと多すぎたかなと思いつつ、余った左右のウィックを下に押し込んで完成。リキッドを足して通電してみると1.6Ωで何事もなかったかのように普通に動作します。吸ってみると比較的ファイバー臭がきつく、時間が経過すればよいのですが、先日からやってみたかった方式でセットアップを再チャレンジ。
その2:煮沸ファイバー

煮沸です。ファイバーをお湯で5分ほど煮ています。少しグツグツとした泡がねっとりしているような気がして期待が持てます。お湯からあげてからペーパータオルで挟んで何度も絞って水分を取ります。乾いてきたら適当な大きさに切って、バーナーで焼きます。これで今度こそファイバー臭が減ったのではないか。


吸ってみてわかったのは、ファイバー臭は煮沸だけでは除去できない。確かにリキッドが充分に補充されてるときには非常においしく、この価格でリビルダブルができるなんていい時代になったものだとか思いながら吸っているわけですが、いざリキッド切れになるとやはりファイバー臭が戻ってきます。煮沸5分がどれほどの効果なのかは並べて比較しているわけではないので不明ですが、ややましになるという程度と思いました。
その3:ステンレスメッシュ&ファイバー
残る手段はステンレスメッシュを使った一部Genesis化です。



リキッドが供給されるよう、きつく閉めすぎないようにメッシュをセットアップしました。辛くならないよう、そしてワイヤーが焦げ付きを起こさないよう、0.18mmに切り替えて抵抗値3Ω目標で巻き直します。
結果、満足のいく味は出ていますが、それでもリキッドの乾きによってファイバー臭が戻ってくる瞬間があります。いずれの方式でも抜けることのないファイバー臭ですが、結局時間を掛ければ抜けてくれるはずですので、後は好みの巻き方を楽しめると思えばよいのかも知れません。
iDriper自体はファイバー臭に関係ないので、下手に誤解を生んでしまっているかも知れませんが、あくまでもiDriperは土台であって機能が優れないということではないので誤解なきようお願いします。
■まとめ
このところ細身のリビルダブルを吸う機会が増えていますが、得てして味の濃さと美味しさが際立っています。これは蒸気化するチャンバーの体積によるものと、リキッドの循環距離の効率によるものと思っています。iDriperを試した感じも同様にチャンバーのサイズから美味しさを感じるのではないかと思います。
難点を言わせていただくなら2点あります。ひとつは電極の構造です。アトマイザーの壁をもう少し低くしてワイヤーから底までの距離を短くするべきだと思います。ファイバーを押し込んでしまえば貯まって循環しやすくなるように感じるのですが、RDAやSattysがそうしてるように、本来は平面にワイヤーが少しだけ浮いた状態になるのがベストです。メッシュがダボダボになるまでリキッドを入れればタンクと同様なのですが、コイルからリキッド貯めまでの距離がある場合、ウィック性能は極端に落ちます。
従って直ドリをしても美味しさの継続時間は思ったよりも短く、次々にリキッドを入れて乾きを防ぐ形になります。最終的にはリキッドが充分入っているけども煙が少なくスロートヒットが重いという状態に陥りやすいと考えられます。
改善させるにはウィック性能が上がるまで吸い続けてこなれるのを待つか、あるいはウィックを少し盛るような形にしておくことです。こうすることで極端なリキッドの乾きはなくなると思います。
と、でも実はこれタンクではなく直ドリアトマイザーなんですよね。そう思えば乾いたら足せばいいじゃないという単純な考え方もありますので、一般的にはあまり気にする部分ではないのかも知れません。
もう一つの難点は、難点というレベルのものではなくて、ネジが極小だけどプラスドライバーを必要としていることです。たいしたことのない話なのですが、その他多くのMODではマイナスドライバーで済むことが多いため、このためだけにプラスドライバーを持ち歩きたくないなという、それだけのことです・・・
多少ネガティブなレビューに見えたかも知れませんが、リビルダブルで1500円以下、ファイバーでもステンレスメッシュでも使えてややこしいタンクもなく、さくっと直ドリで美味しい。それだけで素晴らしいと思いませんか?確かに大量生産らしく加工品質はModderのそれと比べて高級感があるものではないのですが、それでも使用に足る充分な品質と優れたエアフローを実現しています。アトマイザーを毎回買い換えることを考えれば、非常にお買い得な製品だと思います。



購入先:沼田茶舗 iDriper 1,320円(税63円)
寸法は14mm、バッテリーコネクターを除き高さは30mmと非常にコンパクトです。カートリッジを使わない直ドリ専用のアトマイザーのためコンパクトさが実現されています。コネクターは標準的な510、ドリップチップは付属しますが同様に510の好みのものを装着可能です。ドリップチップはややきつめで、手持ちのものの中でやはり金属製のT-Tipsは入れることがほぼ不可能でした。ただし、Line V2ほどの狭さではないので、多くのドリップチップがそのまま使えると思われます。(少々ヤスリで削ることでT-Tipsでも入るようになりました。)

キャップを外すとアトマイザーが姿を現します。キャップのエアホールは1mm以下ですが私にはちょうどよい吸い心地です。必要であればピンバイスなどで拡張は容易に可能と思われます。


既存のコイルとウィックのまま吸ってみようと思いますが、抵抗値は2.2ΩでぴったりLR、4.0Vで試してみたところ非常にまろやかな味でした。もちろんウィックがリキッド切れを起こす頃にはファイバーの香りが届いてしまうため、結構頻度よくリキッドを補充する必要があります。
■セットアップ
吊るしのまま吸っていてもレビューにならないので、早速巻き直してみたいと思います。
先に結論をいいますと、結果が気に食わず3回巻き直すことになりました。ので順を追ってご説明します。
その1:3mmファイバー
先日のファイバーウィック比較で見事な成績を収めたドイツの3mmウィックを使用します。


アトマイザーの構造としては、RDAやSattysと同様に空洞の電極にワイヤーを通して上からネジで固定するスタイル。コイルがセンターへ来るようにして固定します。異なる点は、ワイヤー固定部からかなり下までウィック、つまりリキッドを貯められるようになっている部分です。通常、直ドリのリビルダブルはMark-Tなどもそうですが平面にウィックを置いて吸わせるパターンが多いのですが、堀の中にウィックごと入れてしまうという発想はなかったです。どちらかというと危険な香りがします。
ネジの大きさはRDAやSattysに比べてもやや小さいため苦労するかも知れませんが、思ったよりは簡単にセットアップができます。ファイバーですのでワイヤーの取り回しにもそこまで気を配る必要もなく、ホットスポットも発生しにくいのが楽なところです。



少しファイバーをバーナーで焼いてから0.2mmのKanthalワイヤーを巻きます。ちょっと多すぎたかなと思いつつ、余った左右のウィックを下に押し込んで完成。リキッドを足して通電してみると1.6Ωで何事もなかったかのように普通に動作します。吸ってみると比較的ファイバー臭がきつく、時間が経過すればよいのですが、先日からやってみたかった方式でセットアップを再チャレンジ。
その2:煮沸ファイバー

煮沸です。ファイバーをお湯で5分ほど煮ています。少しグツグツとした泡がねっとりしているような気がして期待が持てます。お湯からあげてからペーパータオルで挟んで何度も絞って水分を取ります。乾いてきたら適当な大きさに切って、バーナーで焼きます。これで今度こそファイバー臭が減ったのではないか。


吸ってみてわかったのは、ファイバー臭は煮沸だけでは除去できない。確かにリキッドが充分に補充されてるときには非常においしく、この価格でリビルダブルができるなんていい時代になったものだとか思いながら吸っているわけですが、いざリキッド切れになるとやはりファイバー臭が戻ってきます。煮沸5分がどれほどの効果なのかは並べて比較しているわけではないので不明ですが、ややましになるという程度と思いました。
その3:ステンレスメッシュ&ファイバー
残る手段はステンレスメッシュを使った一部Genesis化です。



リキッドが供給されるよう、きつく閉めすぎないようにメッシュをセットアップしました。辛くならないよう、そしてワイヤーが焦げ付きを起こさないよう、0.18mmに切り替えて抵抗値3Ω目標で巻き直します。
結果、満足のいく味は出ていますが、それでもリキッドの乾きによってファイバー臭が戻ってくる瞬間があります。いずれの方式でも抜けることのないファイバー臭ですが、結局時間を掛ければ抜けてくれるはずですので、後は好みの巻き方を楽しめると思えばよいのかも知れません。
iDriper自体はファイバー臭に関係ないので、下手に誤解を生んでしまっているかも知れませんが、あくまでもiDriperは土台であって機能が優れないということではないので誤解なきようお願いします。
■まとめ
このところ細身のリビルダブルを吸う機会が増えていますが、得てして味の濃さと美味しさが際立っています。これは蒸気化するチャンバーの体積によるものと、リキッドの循環距離の効率によるものと思っています。iDriperを試した感じも同様にチャンバーのサイズから美味しさを感じるのではないかと思います。
難点を言わせていただくなら2点あります。ひとつは電極の構造です。アトマイザーの壁をもう少し低くしてワイヤーから底までの距離を短くするべきだと思います。ファイバーを押し込んでしまえば貯まって循環しやすくなるように感じるのですが、RDAやSattysがそうしてるように、本来は平面にワイヤーが少しだけ浮いた状態になるのがベストです。メッシュがダボダボになるまでリキッドを入れればタンクと同様なのですが、コイルからリキッド貯めまでの距離がある場合、ウィック性能は極端に落ちます。
従って直ドリをしても美味しさの継続時間は思ったよりも短く、次々にリキッドを入れて乾きを防ぐ形になります。最終的にはリキッドが充分入っているけども煙が少なくスロートヒットが重いという状態に陥りやすいと考えられます。
改善させるにはウィック性能が上がるまで吸い続けてこなれるのを待つか、あるいはウィックを少し盛るような形にしておくことです。こうすることで極端なリキッドの乾きはなくなると思います。
と、でも実はこれタンクではなく直ドリアトマイザーなんですよね。そう思えば乾いたら足せばいいじゃないという単純な考え方もありますので、一般的にはあまり気にする部分ではないのかも知れません。
もう一つの難点は、難点というレベルのものではなくて、ネジが極小だけどプラスドライバーを必要としていることです。たいしたことのない話なのですが、その他多くのMODではマイナスドライバーで済むことが多いため、このためだけにプラスドライバーを持ち歩きたくないなという、それだけのことです・・・
多少ネガティブなレビューに見えたかも知れませんが、リビルダブルで1500円以下、ファイバーでもステンレスメッシュでも使えてややこしいタンクもなく、さくっと直ドリで美味しい。それだけで素晴らしいと思いませんか?確かに大量生産らしく加工品質はModderのそれと比べて高級感があるものではないのですが、それでも使用に足る充分な品質と優れたエアフローを実現しています。アトマイザーを毎回買い換えることを考えれば、非常にお買い得な製品だと思います。



購入先:沼田茶舗 iDriper 1,320円(税63円)