Gabish Vape Blog - 電子タバコのひとりごと

ジャンクではない電子タバコに関するブログ。メモ的なもの。うっかり禁煙しちゃいました。

 
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PWMのワナとお詫び

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あまり穏やかではないタイトルですが、バッテリーMOD業界にとっては一大事。そして私も誤った情報を流していたかも知れない張本人として反省すべき事実が判明しましたのでここにお詫びと共に掲載させていただきます。

Variable Voltage(可変電圧)のバッテリーMODは、eGo Twistなど一般製品でも当たり前のように販売されている時代ですが、3VOの登場以降、パルス幅変調(PWM)で制御するタイプのVV MODが徐々に増え、現在では大手Smoketech VMAXなど誰でも入手できるVV MODとして販売されています。

PWMという機構それ自体には何ら問題がないわけですが、オシロスコープを使う電子タバコの様々なレビュアーの計測で使用されている電圧は最小値と最大値から自動で導かれる平均電圧(Vavg)を実電圧として取り扱ってきました。私も例に漏れず同様にの計測を行い、その結果をブログに掲載してきましたが、このVavgを計測電圧とすること自体が誤りだったのです。

これにより何が起きたのか、ユーザーにどのような影響があるのかをご説明します。


■RMSこそが実効電圧

PWMの原理は、電圧の最大値を通電させる頻度(Duty Cycle)を変更することで特定の平均電圧を得るという考えです。例えば5Vの電圧を1秒間の通電時、1秒を1000回に割って、うち300回を無通電とすることで5Vよりも低い電圧を実現しようというもの。このDuty Cycleの割合によって電圧を制御しています。つまりProVariや初代LavaTubeのように、出力電圧そのものを上下させるのではなく、7Vなど一定電圧を出したまま電子的にDuty Cycleを変更して3-6Vの電圧可変を行うという機能です。

私は常にVavgを計測値として取り扱いレビュー結果を掲載してきました。それは計算によるものではなくオシロスコープのVavgそのものを実電圧であると他のレビュアー同様に勘違いしてたもので、実際にはRMS計算することが必要だということがMOD業界に震撼を走らせています。

RMS(Root Mean Square)は実効電圧と呼ばれる単位で、中学生時代に半田ごて片手に電子部品をいじっていた程度の私にはあまりにも複雑なため説明は一切できませんが、詳しくはWikipediaをご参照ください。その理論は置いておいて、単純にいえば平均直流電圧を求めるための計算式です。

RMS = Vpeak * √ Duty Cycle

Vavgとして通常に考えれば、例えば8Vの電圧をDuty Cycle 50%で発生させた場合、電圧計の平均値表示は半分の4Vとなります。ただし実際には波形を持つパルス幅によって実効電圧を計算しなければならず、RMSを用いた場合には以下のように5.65Vとなります。

RMS = 8 * √0.5 = 8 * 0.707 = 5.65V

これを例に2Ωの抵抗で電流を計算すると(P = V² /R)、8²/2 = 32W。Duty Cycleが50%ですので32 * 0.5 = 16Wとなります。Vavgとして計算してしまえば4Vは4²/2 = 8Wですが、RMSで計算を行えば5.65²/2 = 16Wとなり計算が正しいことがわかります。

一方でDuty Cycleが常に100%のProVari、初代Lavatube、eGo Twistなどのリニア制御の可変電圧やメカニカルMODではRMSを使用せず、Vavgがそのままの実効電圧となります。これが間違いの元でもありました。


■で何がまずいのか

以前、沼田茶舗さんのVMaxをレビューさせていただいたときに感じたあまりの味の辛さはここに起因します。中国系のメーカーでは私の100万倍影響力を持つ著名なレビュアーにMOD設計の支援などを受けています。現在製造されているPWM VVはすべて中国系メーカーによるものですが、これらの設計段階でVAvgを使用した計測結果や設計という意見を渡していたり、あるいはつながりがなくてもネット上にある様々なチャートを使ったレビューを参考に設計されています。実際に出来上がってしまったVMaxなどの製品ではVavgだけを念頭にRMSという考えが吹っ飛んでしまっていると予測されます。

つまり、Vmaxで感じたあの辛さはVavg表示で3V設定をしても実際には4Vを超える電圧を発生させていたわけです。これはPWMを使用するすべてのモジュールに言えることで、設計段階から平均値にはDuty Cycleの平方根が必要だという計算が抜けているのです。

何がまずいのか、$100前後を支払って3.0V~6.0Vの可変電圧MODを購入しても、得られる実効値はそれよりももっと高い電圧であることで、本来はワイヤーが切れるのを防ぐためのカットオフ機能は実際よりももっと高い位置に設定されてしまうためアトマイザーを破壊したり、何をしても辛すぎる結果、使用しなくなったり電子タバコ自体の印象が悪くなることが懸念されます。

vmax3v_20120920235546.jpg

このチャートはVmaxの3.0V設定(左)と6.0V設定(右)の計測結果です。ご覧のようにVavgでは3.12Vと6.21Vと一見近いものがありますが、RMS計算をすると5.66Vと8.06V(いずれも抵抗ゼロ)という結果になります。Duty Cycleが高くなるにつれてその差は当然なくなってくるわけですが、特にDuty Cycleの低いLR設定では辛いのも当然です。

次に5月頃にVaporAlleyで購入したYoung June製のLavatube 1.5を計測してみます。L-Ryderによる初代Lavatubeとは異なりYoung June製はPWM形式。当時L-Ryder製だと思って購入したためレビューを控えていた製品です。

P10203852.jpg
P10203853.jpg

いつもとは異なる形式でチャートにしました。ただしこのMODは6.0V設定にしたときのみ周波数を100Hzから一気に10分の1以下に落とすという無理な動きで電圧が急激に下がる特性を持っているため計測結果からは外しました。

抵抗値のない状態とBoge 2.0Ωのカトマイザーを使用した場合のAvg、Vrmsをそれぞれ示しています。一見、Vavgだけを見れば抵抗値を付ける前でそこそこ設定値をやや上回り、2Ωカトマイザーを付けたときにやや下がり気味になるというだけに見えます。しかし実際にはRMS電圧は設定よりも高く設定されていて、特に低電圧帯での差が目立ちます。不幸中の幸いではありますが、6Vを超える実効値も実現しています。

もし、お手元にPWM形式のVVがある場合にはリニアなVVと吸い比べてみてください。同じ電圧設定でも辛く感じると思われます。


中国のメーカー側でRMSに気づかないのもどうかとは思いますが、ユーザーがVavgを信じている限りは出来の悪いMODと認定されてしまうため、ある意味要望通りの製品ができあがったと言えなくもありません。今後のレビューでは、PWMのMODについてはRMSを使ったチャートを用いてより正確なレビューを心がけたいと思います。


※まだ情報が錯綜している状態ではありますので、上の説明ですら本当にそうなのかは電子設計に詳しい方の助言などをもらう必要があるかも知れません。RMSだけでなくVppやFreqにも影響を受けないのかどうか、場合により単に最大電圧の高さで辛くなっているだけの可能性も含め、現時点での考察とさせてください。

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テーマ : 実用・役に立つ話    ジャンル : 趣味・実用

  • Response: Comment 13   Trackback 0

  • Comments

    いつも深い考察を拝見させて頂いています。
    最大の問題は「表示電圧」と「実際の電圧」に開きがあった!
    ということで合っているでしょうか?
    これが補正されて正しい値に設計され直れて
    VmaxやZmaxも美味しく吸えるようになるのであれば
    高機能なVVModが比較的安価で入手しやすくなる良いお話!
    と思ったのですが…。
    この前V V Gripperを測定して頂いた際にお話しされてた問題ですね。
    >>Ohigesanさん
    結果からすると、その通りだと思います。
    原因は記事にある様に、平均電圧を実行電圧とを取り違えてパルス制御のプログラムがされている事だと思います。
    はい、Takajinさんの仰る通りです。

    が、取り違えているavgをrms表示だけを変更しても、3.0V設定なのに4.67Vが出てしまっては意味がないので、回路のチューニング段階でRMSを採用すれば、Ohigesanさんの言われるように将来のV-MAXでは美味しく吸えるかも知れません。

    ただしピークが7-9Vと高いものを擬似的に3Vとした場合、本当にアトマイザーが安全なのかは私には謎のままです。

    試しにProVariで3.9V設定、Lavatube1.5で3.0V設定で2.5ΩのGenesisを乗せてみたところ、ワイヤーが赤くなるまでの感覚がほぼ同じかProVariの方がやや早いくらいでした。となると、そこまでワイヤーに負担が掛かっていることにはならないかと思います。
    >>Takajinさん
    >>Gabishさん
    お返事ありがとうございます。
    なるほど、ということであれば、ピーク電圧を実際必要な程度にまで(5-6Vくらい?)引き下げて、
    その上でrms表示になるようにプログラムされ直されれば折衷案的な解決になりそうに思いました。

    ZmaxとかVVとVW両対応!なんてロマンあるアイテムですし、
    使える商品になってくれると嬉しいのですが。
    はい、それがチューニングという意味です。Zmaxは低いWatt設定でなんとかならないかを期待していますが、恐らくダメなんじゃないかなーと。
    この話でいくと、3.3Vと言われているeGoは
    4.2V時Duty Cycle=0.79だから
    4.2V×0.79^0.5=3.7Vということになり
    RMS値はMonoEyeの中間値と同じとなるわけですか?
    >>たかにぃさん

    ちょっと私も混乱してきましたがw

    ええとeGoバッテリーに詳しくないのですが手元のeGo-CバッテリーはVavgで3.99Vです。ピーク4.14VでDuty Cycle 91%ですのでRMS実効値は3.76Vと計算されます。

    RMS = 4.12 * square(0.91 * 0.91) = 3.76V

    ぱっちもののeGoでは出力3.46V、ピーク4.15VでDuty Cycle 83.7%、RMSで3.79Vでした。


    MonoEyeを持っていないのでなんとも言えませんが、eGo ICの抵抗を変えて4V+を実現している場合と、単にカットオフなしでRIVAバッテリーのように4V+を出している2パターンがあるようです。
    Re: タイトルなし
    よっぽど立派な計測をしている方が。

    ttp://www.e-cigarette-forum.com/forum/ego-type-models/275045-does-ego-have-single-point-failure-built-3.html#post5615063

    takajin san. I was found provari use pwm in provape' s QnA pages
    >> jone

    Thanks for the comment. Like you said, ProVari is using PWM technology that doesn't mean it's PWM device in terms of Zmax or Vmax. I believe ProVari boosts voltage then regulate with PWM and low pass filter to generate constant voltage instead.
    arigatougojaimasu^^
    >> jone san

    I was wrong.
    Thank you for having you correct.
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