Drop Mods IKARUSハイブリッドレビュー

『IKARUS』はGenesisタイプのポルトガル製ハイブリッドMOD。今年6月頃からプロトタイプが見え始め、長い時間を掛けてようやく発売になりました。あまりに長い製造期間だったため、初期ロットは当初予定の300本から現在50本まで落ち込んでしまってはいますが、複数での小売店での販売も決まってこの後人気が出るのではないかと予測されます。
■基本仕様など
『IKARUS』は、シングルウィック、またはデュアルウィックのセットアップが可能なGenesisタイプのタンクアトマイザーを持ち、最大のセールスポイントとして、カーボンファイバー製のバッテリーチューブが付属しています。基本セットでは18350チューブのみでステルス製の高いMODになっています。オプションで18500チューブ、そしてKickチューブを購入することも可能になっていますので、後述しますが少し手を加えれば18650を仕様することも可能です。

18350モードのとき
長さ: 125mm(ドリップチップを含まず)
直径: 23mm
重さ: 155.5g(リキッド/セットアップ込)

ステンレス製: 58.6g
カーボンファイバー製: 48.5g
また、同一サイズの18500チューブを計測してみると、思ったよりは差はありませんがカーボンの方が軽量化されています。これはカーボンファイバーがカバーとして使われていて、実際のチューブ内部がステンレス製となっているためです。セットアップ済みの重量が155.5gですので、ProVari MiniにRBAなどをセットアップした時と同じくらいの重量感、そして堅牢感は非常に高いです。




アトマイザーヘッドはサイドウィック方式で、デュアルコイルやUウィックのセットアップが可能になっています。そのためキャップはオーリング固定式でエアホールをウィックの前に調整しやすく、キャップが直径18.5mmまで絞り込まれていること、ウィックホールは3mmと大きめで、シングルウィックでもそこそこの煙量が期待できます。
センターポールはスプリングを持つOrionと同様のタイプ。ワッシャーを引き下げてワイヤーを挟み込むようにセットアップします。タンク容量は3mlだと思われます。
なお、タンクはPyrexとの触れ込みでしたが、ベータテスト中に破損が続いたことからPMMA(アクリルガラス)に変更されています。またカーボンファイバーのタンクカバーも開発と発表されていたのですが、残念ながらいつの間にか立ち消えになりました。



Drop Modsロゴの入ったボトムスイッチはメンテナンスのための分解が可能になっています。細めのドライバーなどでセンターポールを固定しているワッシャーを外せば、内部のスプリング交換などが可能になっています。IKARUSのネジスレッド全般に言えることですが、非常にスムーズにまわり、ロックリングも滑らかにまわすことができます。スプリングはやや柔らかめですが、アンロックした状態でMODを立てておいても通電するほど軽いわけではありません。
スイッチの上部にあるDelrinが絶縁体となってバッテリーの外周を押さえ、センタポールが押し上がることでバッテリーを通電させる仕組みです。ポールの中心にネジ穴がありますが、この構造のため何かを差し込んで高さ調整をすることはできないと思ってください。
スイッチ部の角は45度にカットされているため、手に持って押し込んむときに無理な力が掛からず、メカニカルMODのスイッチとしてはかなり上位の品質と言えます。


高さ調整には2つの方式があります。ひとつはプロトタイプ時から採用されているスプリングをアトマイザー側の穴へ差し込む方法、もうひとつがスプリングの代わりにネジを差し込む方式です。IKARUSのベータ版テストが行われている際には、このスプリング方式だけだったのですが、テスト結果を経てネジでも調整が可能なように製品版では1本のネジが付属しています。
18350モードだけで仕様するのであれば、ネジ1本だけあれば済んでしまうのですが、Kickを使ったり他のバッテリーを使う場合にはスプリング方式の方が通電性が高いため、ネジと一緒にスプリングも付属しているのが現状です。
例えば、18500チューブを使ってKickを仕込む場合には、ネジを使うとボトムスイッチを最後まで締めることができなくなります。この場合にはスプリング方式を使います。また別売りのKickリングを18350チューブに足して使用する場合には、今度はスプリングでは長さが届かず、ネジを使うことで通電できるようになるといった具合です。
締め込んだときによりフラットに、そしてもう少し長いネジを付属してくれればすべてネジ式で済んだ気はするのですが、このあたりの詰めの甘さはやや気になります。もうひとつ、IKARUSには18650チューブというものが存在しません。そのため18650を使用する場合には、18500チューブ+Kickリングを使います。このときはネジを外れるくらい長くしていても通電できないので、アクセサリーとして他の店で売られているバッテリー延長用のマグネットを使うなどで対応が可能です。
私は「ぬるしぐ」さんで購入しました。


■セットアップ
せっかくなのでセンターウィック方式ではできない「Uウィック」方式で巻いてみます。32ゲージのKanthalワイヤーの5巻き。スプリング方式のセンターポールは非常にセットアップしやすく、ものの数分でホットスポットも出ることなくセットアップが完了しました。
エアホールは1mmとのことですが、やや太く1.1mmはありそうです。



■まとめと試飲

一番近い比較対象は、やはりOrionになるのだと思います。メカニカルとしての品質はとても高いこと、Orionで欲しいと思われていた18500モードとKickへの対応、ロック機能がきちんとできていること、そしてPailpoeスイッチが人気が高いだけにIKARUSのスイッチが注目されていましたが、期待を裏切ることなくスイッチ性能は最近のメカニカルMODの中ではほぼベストな仕上がりです。
アトマイザー部分も近い作りとなっていますが、エアホール調整がしにくいOrionに比べて軍配はやはりIKARUSに上がります。510ドリップチップを好みのものに交換できるのも当たり前のように提供されているなか、さらに本体を購入するとしっかりとステンレス製ドリップチップが付属しているのもOrionを意識しているように思います。
吸い心地はOrion V2と比較するとやや軽めには感じますが、軽すぎるというレベルではありません。Uウィックとしたためリキッドの循環は非常によく、15秒連続通電をしても焦げ臭くなるようなことはありませんでした。ウィックホールが3mmとDIDに近いため、これであればシングルでも十分な気はします。フレーバーの乗りはOrionと比べるとやや薄い感じがしますが、これはチャンバーがやや大きいことに起因するのかも知れません。もちろん使用するリキッドで大きく変化するとは思いますが。
煙量と温度はいずれも満点に近く、ただ個人的にはもう少しだけ空気のドローを細くすればベストなセットアップとなりそうです。
今どちらのMODを持ち出すかと聞かれれば、間違いなくOrionではなくIKARUSを持ち出すことになりそうです。





購入先: VapePitフォーラムで直接購入しましたがショップでの販売も始まっています dripmods.com
また北米のAvid Vaporでも近々販売開始の見込みです。
<<コメントはJPVapers.comまでお願いいたします>>
『IKARUS』は、シングルウィック、またはデュアルウィックのセットアップが可能なGenesisタイプのタンクアトマイザーを持ち、最大のセールスポイントとして、カーボンファイバー製のバッテリーチューブが付属しています。基本セットでは18350チューブのみでステルス製の高いMODになっています。オプションで18500チューブ、そしてKickチューブを購入することも可能になっていますので、後述しますが少し手を加えれば18650を仕様することも可能です。

18350モードのとき
長さ: 125mm(ドリップチップを含まず)
直径: 23mm
重さ: 155.5g(リキッド/セットアップ込)

ステンレス製: 58.6g
カーボンファイバー製: 48.5g
また、同一サイズの18500チューブを計測してみると、思ったよりは差はありませんがカーボンの方が軽量化されています。これはカーボンファイバーがカバーとして使われていて、実際のチューブ内部がステンレス製となっているためです。セットアップ済みの重量が155.5gですので、ProVari MiniにRBAなどをセットアップした時と同じくらいの重量感、そして堅牢感は非常に高いです。




アトマイザーヘッドはサイドウィック方式で、デュアルコイルやUウィックのセットアップが可能になっています。そのためキャップはオーリング固定式でエアホールをウィックの前に調整しやすく、キャップが直径18.5mmまで絞り込まれていること、ウィックホールは3mmと大きめで、シングルウィックでもそこそこの煙量が期待できます。
センターポールはスプリングを持つOrionと同様のタイプ。ワッシャーを引き下げてワイヤーを挟み込むようにセットアップします。タンク容量は3mlだと思われます。
なお、タンクはPyrexとの触れ込みでしたが、ベータテスト中に破損が続いたことからPMMA(アクリルガラス)に変更されています。またカーボンファイバーのタンクカバーも開発と発表されていたのですが、残念ながらいつの間にか立ち消えになりました。



Drop Modsロゴの入ったボトムスイッチはメンテナンスのための分解が可能になっています。細めのドライバーなどでセンターポールを固定しているワッシャーを外せば、内部のスプリング交換などが可能になっています。IKARUSのネジスレッド全般に言えることですが、非常にスムーズにまわり、ロックリングも滑らかにまわすことができます。スプリングはやや柔らかめですが、アンロックした状態でMODを立てておいても通電するほど軽いわけではありません。
スイッチの上部にあるDelrinが絶縁体となってバッテリーの外周を押さえ、センタポールが押し上がることでバッテリーを通電させる仕組みです。ポールの中心にネジ穴がありますが、この構造のため何かを差し込んで高さ調整をすることはできないと思ってください。
スイッチ部の角は45度にカットされているため、手に持って押し込んむときに無理な力が掛からず、メカニカルMODのスイッチとしてはかなり上位の品質と言えます。


高さ調整には2つの方式があります。ひとつはプロトタイプ時から採用されているスプリングをアトマイザー側の穴へ差し込む方法、もうひとつがスプリングの代わりにネジを差し込む方式です。IKARUSのベータ版テストが行われている際には、このスプリング方式だけだったのですが、テスト結果を経てネジでも調整が可能なように製品版では1本のネジが付属しています。
18350モードだけで仕様するのであれば、ネジ1本だけあれば済んでしまうのですが、Kickを使ったり他のバッテリーを使う場合にはスプリング方式の方が通電性が高いため、ネジと一緒にスプリングも付属しているのが現状です。
例えば、18500チューブを使ってKickを仕込む場合には、ネジを使うとボトムスイッチを最後まで締めることができなくなります。この場合にはスプリング方式を使います。また別売りのKickリングを18350チューブに足して使用する場合には、今度はスプリングでは長さが届かず、ネジを使うことで通電できるようになるといった具合です。
締め込んだときによりフラットに、そしてもう少し長いネジを付属してくれればすべてネジ式で済んだ気はするのですが、このあたりの詰めの甘さはやや気になります。もうひとつ、IKARUSには18650チューブというものが存在しません。そのため18650を使用する場合には、18500チューブ+Kickリングを使います。このときはネジを外れるくらい長くしていても通電できないので、アクセサリーとして他の店で売られているバッテリー延長用のマグネットを使うなどで対応が可能です。
私は「ぬるしぐ」さんで購入しました。


■セットアップ
せっかくなのでセンターウィック方式ではできない「Uウィック」方式で巻いてみます。32ゲージのKanthalワイヤーの5巻き。スプリング方式のセンターポールは非常にセットアップしやすく、ものの数分でホットスポットも出ることなくセットアップが完了しました。
エアホールは1mmとのことですが、やや太く1.1mmはありそうです。



■まとめと試飲

一番近い比較対象は、やはりOrionになるのだと思います。メカニカルとしての品質はとても高いこと、Orionで欲しいと思われていた18500モードとKickへの対応、ロック機能がきちんとできていること、そしてPailpoeスイッチが人気が高いだけにIKARUSのスイッチが注目されていましたが、期待を裏切ることなくスイッチ性能は最近のメカニカルMODの中ではほぼベストな仕上がりです。
アトマイザー部分も近い作りとなっていますが、エアホール調整がしにくいOrionに比べて軍配はやはりIKARUSに上がります。510ドリップチップを好みのものに交換できるのも当たり前のように提供されているなか、さらに本体を購入するとしっかりとステンレス製ドリップチップが付属しているのもOrionを意識しているように思います。
吸い心地はOrion V2と比較するとやや軽めには感じますが、軽すぎるというレベルではありません。Uウィックとしたためリキッドの循環は非常によく、15秒連続通電をしても焦げ臭くなるようなことはありませんでした。ウィックホールが3mmとDIDに近いため、これであればシングルでも十分な気はします。フレーバーの乗りはOrionと比べるとやや薄い感じがしますが、これはチャンバーがやや大きいことに起因するのかも知れません。もちろん使用するリキッドで大きく変化するとは思いますが。
煙量と温度はいずれも満点に近く、ただ個人的にはもう少しだけ空気のドローを細くすればベストなセットアップとなりそうです。
今どちらのMODを持ち出すかと聞かれれば、間違いなくOrionではなくIKARUSを持ち出すことになりそうです。





購入先: VapePitフォーラムで直接購入しましたがショップでの販売も始まっています dripmods.com
また北米のAvid Vaporでも近々販売開始の見込みです。
<<コメントはJPVapers.comまでお願いいたします>>