MarkBugs Wandレビュー

プロトタイプのチラ見せから製品となるまで、鬼のように時間の掛かっていたMarkBugs初のGenesisアトマイザー『Wand』が発売されました。とはいえ、今回のロットはチタニウム版のWizard、そして初期出荷のWizard Apprenticeオーナーのみへの販売、そしてすでに今年分の生産は終了しました…。
争奪戦ではなかったのですが、本当に手にするまでこんなに緊張したアトマイザーも少ないぞという感想です。
■基本スペックなど
直径 21mm
長さ 40mm
重さ 28g
材質 チタン
タンク Pyrex
容量 3.5ml
直径21mmはバッテリーMODとして先に販売されている「Wizard」シリーズの直径と同一でスタイルは完全にマッチします。重量はチタンのため28gと軽量。高さ40mmはコンパクトでその分チャンバーのサイズが狭くなっています。


接続は標準的な510規格、バッテリー側センターピンはシルバープレート加工。エアホールは好みに合わせて最大1.2mmまで調節が可能になっていて、Wizard側のバッテリーロック機能と同じように、スリーブを回すことで、エアホールに対して斜めに入ったスリットが穴を遮る形で空気量を変化させる仕組みです。(言葉ではわかりにくいですが、写真を見てもらえば一発でわかります)



タンク部分にはPyrexを保護するように「W」の切り込みが入ったシールドで被さっています。構造としてはbliSSに近くいのですが、Wandにしかない特徴として、ウィックホールを自由な位置に移動できるという機能があります。
これはMODに乗せたときのウィックの位置がスイッチの場所との関係上180度逆がいいんだよねなど気になる場合がありますよね。Wandはバッテリー側のセンターピンを緩めるとタンク下部を回してウィックホールを好きな位置に持ってくることができます。その状態でセンターピンをしっかりと締めれば固定できる設計になっていて、この心遣いにはビックリです。(どの方向にしてもエアホールはウィックの前に来ます)
ドリップチップも510で好きなものを装着できますが、Chaliceと同じスタイルでフィニッシュの異なるドリップチップが付属しています。(プロトタイプとは異なり、根元の3本ラインはなくなりました)

■アトマイザー
アトマイザーは電極が3本に見えるかも知れませんが、実はうち1本はリキッドチャージ用の穴の開閉用になっています。Wandのコンセプトは精密ドライバーなどを使用せずとも(使うことも可能)、指で作業をこなすことができるようになっています(でも結構固くてドライバー使ったけど…)。リキッドチャージ以外には閉じて起きたい方と、チャージ後も空気穴として開けて起きたい方がいるのですが、その両方に対応していることになります。



電極のワイヤー固定はRBAによくあるタイプの穴に通してからネジで固定する方式、このため流行りのフラットワイヤーは使用できません。先日、Takajinさんが打ち合わせで自宅へいらしたときに、ゼロ抵抗ワイヤーを瞬間溶接する「Tsaf」でリボンワイヤーと接続したらいけるかもね、ということで試したことがあるのですが、まぁそうでもしないと難しいかもです。MarkBuugsの伝統的な方式ではあるのですが、個人的にはワイヤーが切れやすくなるのと、ウィックの直立性を考えると通常に挟み込む方法でもよかったのではないかとは思います。

ウィックホールは2.5mmですが、インスレーターを外すと3.5mmになります。両方とも試してみたところ、3.5mmはちょっと太すぎる感想。上へ伸ばしたウィックが電極と触れてしまうこと、供給がよすぎてチャンバー全体の湿気が多すぎる結果、喉ごし(TH)がやや強めになりました。


インスレーターを戻して2.5mmで巻いた状態はなかなか良好でウィックの角度も安定します。とりあえず、インスレーターは変形しやすいので、できれば外さない方が身のためです。煙量としては目立って爆煙というわけではありませんが優秀だとは思います。ただし、チャンバーが狭いという前情報で期待していたのですが、狭いのではなく背が低いというのが正解で、16mmクラスのアトマイザーで得られる濃厚感というものは残念ながら得ることはできませんでした。

アトマイザーでひとつ難点があるとすれば、チェーンしたあとのチャンバー内の結露がハンパなく、数分吸ってからキャップを外したときの状態がこの写真です。吸い方や抵抗値、電圧などでも異なると思いますが、あまり過激に使っているとエアホール部分でジュルジュルし始める可能性があります。Inifinity、Chalice、そしてWandと、やや漏れが生じるのも伝統というのは少し残念です。エアホールを狭くし過ぎると起きやすくなるので、1.2mmでスカスカに感じないようであれば、なるべく開放のポジションがオススメです。
■やっちゃだめなこと



分解/組み立てで壁にぶつかりました。タンクが丸洗いできるのはよかったのですが、トップキャップは分解してはだめだったようです。上の写真にあるワイヤーが、キャップの可動部のスリットにそれぞれはまるように戻す必要があります。これは単にエアドロー調節のリングがゆるゆるにならないように入っているだけなのですが、これ一度外したら戻せませんよね…。で、ワイヤーを挟もうと頑張ったのですが、結果外れなくなっちゃいました。現在はエアドローゼロの状態でどっちの方向にもリングが回らない状態で固定。ううむ、色々試し中ですが、今のところ外す手段が思いつかない。かなり困り中w ステンメッシュとかを挟んでおけばよかった…(涙
■まとめ
「Wizard」に「Wand」乗せると「魔法使いの杖」になるという夢をずっと願っていたわけなのですが、その美しさは期待通りに高く手にする喜びを得ることが出来ました。機能面でも他にはないエアフロー調整やリキッドチャージのフタ、ウィックホール位置の調整材質にチタンとPurexとGenesisファンの心をわしづかみにされるのは間違いないです。
軽くて丈夫、どこへでも持ち歩けるポケットフレンドリーさは特に評価できるポイントです。
一番いけてないなぁと思うのは、チタン製のWandにステンレス製のWizardの組み合わせでは、やや色合いに差が出てしまいます。チタン製のWizardが欲しくなっちゃうところではありますが、そこまでの投資はさすがに躊躇。将来ステンレス製のWandが出てくることを祈ります。
肝心の吸い心地について… 至って上品な仕上がりです。2.5mmウィックホールと小さいチャンバーの組み合わせは、やや味が薄いようにも感じるのですが、言い換えれば上品な吸い心地と言えるかと思います。
ほとんど文句のつけようがない上品な仕上がりのWandですが、組み合わせて使えるバッテリーが他にも欲しいところですね。1mmの差はありますがPrecice Plusに乗せてもそれなりに格好いいですが、ProVariだとなんだかなーという感じ。やっぱりWizardとのセットですね。



購入先: MarkBugs 送料込みで149ユーロでしたが市販価格は不明です。
<<コメントはJPVapers.comのスレッドまでお願いいたします>>
直径 21mm
長さ 40mm
重さ 28g
材質 チタン
タンク Pyrex
容量 3.5ml
直径21mmはバッテリーMODとして先に販売されている「Wizard」シリーズの直径と同一でスタイルは完全にマッチします。重量はチタンのため28gと軽量。高さ40mmはコンパクトでその分チャンバーのサイズが狭くなっています。


接続は標準的な510規格、バッテリー側センターピンはシルバープレート加工。エアホールは好みに合わせて最大1.2mmまで調節が可能になっていて、Wizard側のバッテリーロック機能と同じように、スリーブを回すことで、エアホールに対して斜めに入ったスリットが穴を遮る形で空気量を変化させる仕組みです。(言葉ではわかりにくいですが、写真を見てもらえば一発でわかります)



タンク部分にはPyrexを保護するように「W」の切り込みが入ったシールドで被さっています。構造としてはbliSSに近くいのですが、Wandにしかない特徴として、ウィックホールを自由な位置に移動できるという機能があります。
これはMODに乗せたときのウィックの位置がスイッチの場所との関係上180度逆がいいんだよねなど気になる場合がありますよね。Wandはバッテリー側のセンターピンを緩めるとタンク下部を回してウィックホールを好きな位置に持ってくることができます。その状態でセンターピンをしっかりと締めれば固定できる設計になっていて、この心遣いにはビックリです。(どの方向にしてもエアホールはウィックの前に来ます)
ドリップチップも510で好きなものを装着できますが、Chaliceと同じスタイルでフィニッシュの異なるドリップチップが付属しています。(プロトタイプとは異なり、根元の3本ラインはなくなりました)

■アトマイザー
アトマイザーは電極が3本に見えるかも知れませんが、実はうち1本はリキッドチャージ用の穴の開閉用になっています。Wandのコンセプトは精密ドライバーなどを使用せずとも(使うことも可能)、指で作業をこなすことができるようになっています(でも結構固くてドライバー使ったけど…)。リキッドチャージ以外には閉じて起きたい方と、チャージ後も空気穴として開けて起きたい方がいるのですが、その両方に対応していることになります。



電極のワイヤー固定はRBAによくあるタイプの穴に通してからネジで固定する方式、このため流行りのフラットワイヤーは使用できません。先日、Takajinさんが打ち合わせで自宅へいらしたときに、ゼロ抵抗ワイヤーを瞬間溶接する「Tsaf」でリボンワイヤーと接続したらいけるかもね、ということで試したことがあるのですが、まぁそうでもしないと難しいかもです。MarkBuugsの伝統的な方式ではあるのですが、個人的にはワイヤーが切れやすくなるのと、ウィックの直立性を考えると通常に挟み込む方法でもよかったのではないかとは思います。

ウィックホールは2.5mmですが、インスレーターを外すと3.5mmになります。両方とも試してみたところ、3.5mmはちょっと太すぎる感想。上へ伸ばしたウィックが電極と触れてしまうこと、供給がよすぎてチャンバー全体の湿気が多すぎる結果、喉ごし(TH)がやや強めになりました。


インスレーターを戻して2.5mmで巻いた状態はなかなか良好でウィックの角度も安定します。とりあえず、インスレーターは変形しやすいので、できれば外さない方が身のためです。煙量としては目立って爆煙というわけではありませんが優秀だとは思います。ただし、チャンバーが狭いという前情報で期待していたのですが、狭いのではなく背が低いというのが正解で、16mmクラスのアトマイザーで得られる濃厚感というものは残念ながら得ることはできませんでした。

アトマイザーでひとつ難点があるとすれば、チェーンしたあとのチャンバー内の結露がハンパなく、数分吸ってからキャップを外したときの状態がこの写真です。吸い方や抵抗値、電圧などでも異なると思いますが、あまり過激に使っているとエアホール部分でジュルジュルし始める可能性があります。Inifinity、Chalice、そしてWandと、やや漏れが生じるのも伝統というのは少し残念です。エアホールを狭くし過ぎると起きやすくなるので、1.2mmでスカスカに感じないようであれば、なるべく開放のポジションがオススメです。
■やっちゃだめなこと



分解/組み立てで壁にぶつかりました。タンクが丸洗いできるのはよかったのですが、トップキャップは分解してはだめだったようです。上の写真にあるワイヤーが、キャップの可動部のスリットにそれぞれはまるように戻す必要があります。これは単にエアドロー調節のリングがゆるゆるにならないように入っているだけなのですが、これ一度外したら戻せませんよね…。で、ワイヤーを挟もうと頑張ったのですが、結果外れなくなっちゃいました。現在はエアドローゼロの状態でどっちの方向にもリングが回らない状態で固定。ううむ、色々試し中ですが、今のところ外す手段が思いつかない。かなり困り中w ステンメッシュとかを挟んでおけばよかった…(涙
■まとめ
「Wizard」に「Wand」乗せると「魔法使いの杖」になるという夢をずっと願っていたわけなのですが、その美しさは期待通りに高く手にする喜びを得ることが出来ました。機能面でも他にはないエアフロー調整やリキッドチャージのフタ、ウィックホール位置の調整材質にチタンとPurexとGenesisファンの心をわしづかみにされるのは間違いないです。
軽くて丈夫、どこへでも持ち歩けるポケットフレンドリーさは特に評価できるポイントです。
一番いけてないなぁと思うのは、チタン製のWandにステンレス製のWizardの組み合わせでは、やや色合いに差が出てしまいます。チタン製のWizardが欲しくなっちゃうところではありますが、そこまでの投資はさすがに躊躇。将来ステンレス製のWandが出てくることを祈ります。
肝心の吸い心地について… 至って上品な仕上がりです。2.5mmウィックホールと小さいチャンバーの組み合わせは、やや味が薄いようにも感じるのですが、言い換えれば上品な吸い心地と言えるかと思います。
ほとんど文句のつけようがない上品な仕上がりのWandですが、組み合わせて使えるバッテリーが他にも欲しいところですね。1mmの差はありますがPrecice Plusに乗せてもそれなりに格好いいですが、ProVariだとなんだかなーという感じ。やっぱりWizardとのセットですね。



購入先: MarkBugs 送料込みで149ユーロでしたが市販価格は不明です。
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