Zenesis Sidewinderレビュー

しばらくブログの更新をお休みしてしまい申し訳ありませんでした。
実は今回お届けするSidewinderの記事、書きかけ途中で2回データを消失、そして2回目は99%完了時に消失という事故に遭い心が折れて立ち上がることができなくなっていたというのが正直なところなのです…。
実際には仕事や諸々も忙しくて手を出していなかったのもあるのですが、ブログを書くにもこの記事を終わらせないことには先へ進めないぞという気持ちがあり、ようやく傷も癒えたため三度目の正直として書かせていただきたいと思います。
『Zenesis Sidewinder』は新製品というわけではなく、発売から実は結構な時間が経っています。巡り会う機会がなかったのですが、Zenシリーズを知り尽くした男、VaporConeの福士さんからお借りすることができました。
メカニカルMODではありますが、その姿はKayfun miniやVinciのようにバッテリーとアトマイザー部分を2本立てたようなスタイル。ボトムフィーダーのようにも見えますが、実はこう見えてGenesisアトマイザーを一体化したハイブリッドMODです。早速レビューさせていただきます。
■基本仕様など
寸法 44mm x 22mm x 99mm(スイッチ部高さ74mm)
重さ 188g(510トップキャップ時115g)
材質 アルミニウム/ステンレス
タンク容量 4ml

このスタイルにビビっとくる方、多いですよね。実は私もそうですが、結局使用するシーンが家の外となった瞬間に、携帯性や手のひらに収まるそのサイズに秘められた機能性にウットリくるわけです。いずれレビューでご紹介しようと思っている「MicroStick & MiniGen」のセットなども同様の理由でウットリくるわけです。
今では比較的購入しやすくなっているとはいえ、発売当初はZenesisと同様に完全に入手をあきらめていた雲の上の存在でもありました。そんなこともあり自分で手にするということを現実的には考えていなかったのですが、お借りしたSidewinderのインパクトはやっぱり大きかったです。非常に美しいです。
外観としては外径22mmサイズのチューブを2本並列にしている状態のため割と大きいですが、アルミをふんだんに使っていることから、総重量はProVari Mini+ステンレスのGenesis程度に収まっている気がします。つまり、普段使いをするのに困らない重さながら、それなりに重量感があるという感じでしょうか。
それでは各部を見ていきましょう。
<<バッテリー部分>>
バッテリーの対応サイズは18350のみ。IMR推奨ですが、ICRバッテリーなどサイズへの対応はチューブの最下部の六角ネジにワッシャーを最大3枚挟むことで対応します。ただし手元のAW 18350でもワッシャー2枚を必要としましたので実質的にはIMR専用と思った方がよいかも知れません。
ポケットに入れて持ち歩くことを前提にしているため、タンクはアルミ製でクリアガラスなどのチョイスはありません。ロックなしのスプリング式だった初代のZenesisスイッチは、ロック付のマグネット式に進化し、その後通電性を考慮したのかはわからないですが、今回のSidewinderより、再度スイッチがマグネット式からスプリング方式に戻っています。このためZenesis2にはロック機能がないのですが、Sidewinderではアトマイザー側にロックを仕込むことにより、ロックのないスイッチに実質ロック機能を付加しています。
それほど使い勝手がよいロックというわけではありませんが、しっかりとロックできるため持ち運び時に誤って通電するようなことはなさそうです。これはイイですね。

本来ハイブリッドMODは、通常バッテリー部分とアトマイザー部分が切り離せないか、あるいは切り離せても専用スレッドによってチューブ交換などができないMODを指していましたが、今のトレンドとして取り外せるハイブリッドのスレッドがGGタイプ、Caravelaタイプの2種類に大別されます。そのため実質的には付け替えも可能なハイブリッドというものが出てきている現状です。
そんな中、Zenesis Sidewinderのスレッドはそのどちらにも属さないZen専用のスレッドです。ただしZenesis 2シリーズとは互換性がありますので、どうしても試したければスレッドだけは合ってくれます。


バッテリーMOD側のポジティブ電力は、本体下部の金属プレートとネジによってアトマイザー側へ通電します。Derlinパーツによって絶縁されている設計は、Vinciにも通じるものがあります。設計上はこれで十分電力が伝わる予定なのだと思いますが、アトマイザーまでの距離を考えるとやや不安になるところではあります。




<<アトマイザー部分>>
アトマイザーは伝統的なGenesis方式のZenesisですので今更説明の必要はないかと思いますが、トレンドである太いウィックと低抵抗値による運用にもしっかり耐えうる設計をもっています。


SidewinderのZenesisは、ある一点において他のGenesis製品と異なる特徴を持っています。それはバッテリーMODへ装着したときのウィックホールの位置、つまりはエアホールの位置も含めて自分の好みの場所に置くことができるというものです。通常はバッテリーMOD本体が円柱のため、どの方向にウィックホールがあっても問題ないわけですが、GGTSなどのサイドボタンのあるMODでは、多少不便がありました。これはGGTSにDVGを乗せたときにも同様で、唯一の不満だったわけです。
Sidewinderの場合にはサイドボタンどころかMODの形がかなりの変形ですので、ウィックホールおよびエアホールの位置が思っているところに来てくれないと結構なストレスになります。この部分を設計できちんとカバーできているのが、長年Genesisを設計し続けてきたZenの神髄ということでしょうか。素晴らしくてショックを受けるレベルです。
ウィックホールの方向を決めるには、まずアトマイザーベースにアルミのタンクを軽くはめ、その状態でトップキャップをはめてエアホールがウィックホール前になるようにタンクを固定します。次にSidewinderに組み込み、好みの位置にウィックホールを向けるようにします。位置を記憶するためウィックホールの位置にシールなどを貼っておきます。
一旦、アトマイザーを外してシールを位置を確認しながらアトマイザーのボトムパーツをネジでしっかりと固定します。これでアトマイザーを乗せたときに必ず決めた位置へウィックホールが、さらにはエアホールがくるようになります。この例では親指でスイッチを押すことを想定し、その親指側に向かってウィックホールとエアホールは来るというセットアップにしています。



<<510コネクター>>
Sidewinder購入時には付属していませんが、別売りで510コネクタの購入が可能のようです。これを使うことで、ZenesisだけでなくRBAなどのドリッパー、あるいは他の510接続を持つGenesisなどを使用することも可能です。ちょっとうれしいオプションですね。




<<Kick対応>>
Sidewinderはバッテリーが18350のみとやや非力になるなため、Kick対応が考慮されています。対応ではなく考慮としているのは、多少のDIYが必要となるためです。
本来はアトマイザーの下部にはKickが入るのに十分はスペースがあるのですが、この部分に金属製のスプリングと絶縁体の筒が収まっています。KickはバッテリーMODの内部でネガティブピンを接触させて使用しますが、Sidewinderはアルミのチューブ内部までしっかりとアルマイト加工されているため、このままでは通電性がありません。そのため、ヤスリやルーターなどを使ってチューブ内部を削ってアルミを露出させる必要があります。


また、オプション扱いの長いネジを使用することでスプリングの代わりにKickとの通電をさせるようになっているのですが、お借りした福士さんはご自分でまったく異なるDIYをしていらっしゃいました。下の写真がそうなのですが、太いワッシャーにスプリングを半田付け。プラスチック製のワッシャーを足してKickの高さをスプリングで吸収するようにしています。

いやお見事です。
Kick 1、Kick 2ともに装着は可能でしたが、Kick 2の方はピンが2本で結構固いため、一度はめるとなかなか取り出せなくなるくらいの固定度合いでした。


で、結果からいうと残念ながらKickはいずれもうまく動作しませんでした。アトマイザーを装着すると、Kickは写真よりもさらに下がって、スレッドではなく削ったむき出しのアルミにしっかりと触れているはずなのですが、電池からの距離なのか、あるいはアルミの剥がしが弱いのか、ほぼ100%通電できませんでした。時間があれば再チャレンジしたところではありますが、お借りしたものをぶっ壊しちゃうわけにもいかないので、断念することにします。
■セットアップとまとめ
セットアップは通常通りの32ゲージとSSロープで行ったもの、そしてせっかくVaporConeさんにお借りしたものですので、一押しのセラミックウィックを使用してみました。
まずは通常通りのセットアップは非常に素直に収まり、4巻きとしたいところですが18350のサイズを考えて5巻きとします。それでも十分な電圧と煙量で満足のいく結果となりました。ネジ式のトップキャップは外れる事故もなく、堅牢なロック方式もあり大型のGenesisをポケットに入れて持ち歩くということは十分にできそうです。

セラミックウィックの方は、個人的にこれまで使ってきた金魚鉢用のものとは異なり、よりざらつきがあり強度も高く、ある程度の力をかけても大丈夫そうです。もちろん両端を持って曲げればポキッといきますが。目が粗いことと、よくみるとウィック自体に溝が掘られています。これがうまく機能して、こちらの方がウィックとしての供給力は高く、SSロープ+メッシュには敵いませんが常用も可能かと思います。特にSidewinderでは低抵抗値でがんがんふかすイメージではないので、このシーンには合っているように思います。





Sidewinderには機能美、ヘビーデューティーというキーワードが合います。若干癖がある部分は否めませんが、単にチューブとしての存在でなく、遊べるMODとしてコレクターなら欲しくなる逸品かと。現在ではGenesisの代わりにクリアのカトマイザータンク版も発売され、あとは18490対応のエクステンションがれば文句なしかなぁと思います。




ご提供元:VaporCone.jp セラミックウィック
<<コメントはJPVapers.comのこちらのスレッドまでお願いいたします>>
寸法 44mm x 22mm x 99mm(スイッチ部高さ74mm)
重さ 188g(510トップキャップ時115g)
材質 アルミニウム/ステンレス
タンク容量 4ml

このスタイルにビビっとくる方、多いですよね。実は私もそうですが、結局使用するシーンが家の外となった瞬間に、携帯性や手のひらに収まるそのサイズに秘められた機能性にウットリくるわけです。いずれレビューでご紹介しようと思っている「MicroStick & MiniGen」のセットなども同様の理由でウットリくるわけです。
今では比較的購入しやすくなっているとはいえ、発売当初はZenesisと同様に完全に入手をあきらめていた雲の上の存在でもありました。そんなこともあり自分で手にするということを現実的には考えていなかったのですが、お借りしたSidewinderのインパクトはやっぱり大きかったです。非常に美しいです。
外観としては外径22mmサイズのチューブを2本並列にしている状態のため割と大きいですが、アルミをふんだんに使っていることから、総重量はProVari Mini+ステンレスのGenesis程度に収まっている気がします。つまり、普段使いをするのに困らない重さながら、それなりに重量感があるという感じでしょうか。
それでは各部を見ていきましょう。
<<バッテリー部分>>
バッテリーの対応サイズは18350のみ。IMR推奨ですが、ICRバッテリーなどサイズへの対応はチューブの最下部の六角ネジにワッシャーを最大3枚挟むことで対応します。ただし手元のAW 18350でもワッシャー2枚を必要としましたので実質的にはIMR専用と思った方がよいかも知れません。
ポケットに入れて持ち歩くことを前提にしているため、タンクはアルミ製でクリアガラスなどのチョイスはありません。ロックなしのスプリング式だった初代のZenesisスイッチは、ロック付のマグネット式に進化し、その後通電性を考慮したのかはわからないですが、今回のSidewinderより、再度スイッチがマグネット式からスプリング方式に戻っています。このためZenesis2にはロック機能がないのですが、Sidewinderではアトマイザー側にロックを仕込むことにより、ロックのないスイッチに実質ロック機能を付加しています。
それほど使い勝手がよいロックというわけではありませんが、しっかりとロックできるため持ち運び時に誤って通電するようなことはなさそうです。これはイイですね。

本来ハイブリッドMODは、通常バッテリー部分とアトマイザー部分が切り離せないか、あるいは切り離せても専用スレッドによってチューブ交換などができないMODを指していましたが、今のトレンドとして取り外せるハイブリッドのスレッドがGGタイプ、Caravelaタイプの2種類に大別されます。そのため実質的には付け替えも可能なハイブリッドというものが出てきている現状です。
そんな中、Zenesis Sidewinderのスレッドはそのどちらにも属さないZen専用のスレッドです。ただしZenesis 2シリーズとは互換性がありますので、どうしても試したければスレッドだけは合ってくれます。


バッテリーMOD側のポジティブ電力は、本体下部の金属プレートとネジによってアトマイザー側へ通電します。Derlinパーツによって絶縁されている設計は、Vinciにも通じるものがあります。設計上はこれで十分電力が伝わる予定なのだと思いますが、アトマイザーまでの距離を考えるとやや不安になるところではあります。




<<アトマイザー部分>>
アトマイザーは伝統的なGenesis方式のZenesisですので今更説明の必要はないかと思いますが、トレンドである太いウィックと低抵抗値による運用にもしっかり耐えうる設計をもっています。


SidewinderのZenesisは、ある一点において他のGenesis製品と異なる特徴を持っています。それはバッテリーMODへ装着したときのウィックホールの位置、つまりはエアホールの位置も含めて自分の好みの場所に置くことができるというものです。通常はバッテリーMOD本体が円柱のため、どの方向にウィックホールがあっても問題ないわけですが、GGTSなどのサイドボタンのあるMODでは、多少不便がありました。これはGGTSにDVGを乗せたときにも同様で、唯一の不満だったわけです。
Sidewinderの場合にはサイドボタンどころかMODの形がかなりの変形ですので、ウィックホールおよびエアホールの位置が思っているところに来てくれないと結構なストレスになります。この部分を設計できちんとカバーできているのが、長年Genesisを設計し続けてきたZenの神髄ということでしょうか。素晴らしくてショックを受けるレベルです。
ウィックホールの方向を決めるには、まずアトマイザーベースにアルミのタンクを軽くはめ、その状態でトップキャップをはめてエアホールがウィックホール前になるようにタンクを固定します。次にSidewinderに組み込み、好みの位置にウィックホールを向けるようにします。位置を記憶するためウィックホールの位置にシールなどを貼っておきます。
一旦、アトマイザーを外してシールを位置を確認しながらアトマイザーのボトムパーツをネジでしっかりと固定します。これでアトマイザーを乗せたときに必ず決めた位置へウィックホールが、さらにはエアホールがくるようになります。この例では親指でスイッチを押すことを想定し、その親指側に向かってウィックホールとエアホールは来るというセットアップにしています。



<<510コネクター>>
Sidewinder購入時には付属していませんが、別売りで510コネクタの購入が可能のようです。これを使うことで、ZenesisだけでなくRBAなどのドリッパー、あるいは他の510接続を持つGenesisなどを使用することも可能です。ちょっとうれしいオプションですね。




<<Kick対応>>
Sidewinderはバッテリーが18350のみとやや非力になるなため、Kick対応が考慮されています。対応ではなく考慮としているのは、多少のDIYが必要となるためです。
本来はアトマイザーの下部にはKickが入るのに十分はスペースがあるのですが、この部分に金属製のスプリングと絶縁体の筒が収まっています。KickはバッテリーMODの内部でネガティブピンを接触させて使用しますが、Sidewinderはアルミのチューブ内部までしっかりとアルマイト加工されているため、このままでは通電性がありません。そのため、ヤスリやルーターなどを使ってチューブ内部を削ってアルミを露出させる必要があります。


また、オプション扱いの長いネジを使用することでスプリングの代わりにKickとの通電をさせるようになっているのですが、お借りした福士さんはご自分でまったく異なるDIYをしていらっしゃいました。下の写真がそうなのですが、太いワッシャーにスプリングを半田付け。プラスチック製のワッシャーを足してKickの高さをスプリングで吸収するようにしています。

いやお見事です。
Kick 1、Kick 2ともに装着は可能でしたが、Kick 2の方はピンが2本で結構固いため、一度はめるとなかなか取り出せなくなるくらいの固定度合いでした。


で、結果からいうと残念ながらKickはいずれもうまく動作しませんでした。アトマイザーを装着すると、Kickは写真よりもさらに下がって、スレッドではなく削ったむき出しのアルミにしっかりと触れているはずなのですが、電池からの距離なのか、あるいはアルミの剥がしが弱いのか、ほぼ100%通電できませんでした。時間があれば再チャレンジしたところではありますが、お借りしたものをぶっ壊しちゃうわけにもいかないので、断念することにします。
■セットアップとまとめ
セットアップは通常通りの32ゲージとSSロープで行ったもの、そしてせっかくVaporConeさんにお借りしたものですので、一押しのセラミックウィックを使用してみました。
まずは通常通りのセットアップは非常に素直に収まり、4巻きとしたいところですが18350のサイズを考えて5巻きとします。それでも十分な電圧と煙量で満足のいく結果となりました。ネジ式のトップキャップは外れる事故もなく、堅牢なロック方式もあり大型のGenesisをポケットに入れて持ち歩くということは十分にできそうです。

セラミックウィックの方は、個人的にこれまで使ってきた金魚鉢用のものとは異なり、よりざらつきがあり強度も高く、ある程度の力をかけても大丈夫そうです。もちろん両端を持って曲げればポキッといきますが。目が粗いことと、よくみるとウィック自体に溝が掘られています。これがうまく機能して、こちらの方がウィックとしての供給力は高く、SSロープ+メッシュには敵いませんが常用も可能かと思います。特にSidewinderでは低抵抗値でがんがんふかすイメージではないので、このシーンには合っているように思います。





Sidewinderには機能美、ヘビーデューティーというキーワードが合います。若干癖がある部分は否めませんが、単にチューブとしての存在でなく、遊べるMODとしてコレクターなら欲しくなる逸品かと。現在ではGenesisの代わりにクリアのカトマイザータンク版も発売され、あとは18490対応のエクステンションがれば文句なしかなぁと思います。




ご提供元:VaporCone.jp セラミックウィック
<<コメントはJPVapers.comのこちらのスレッドまでお願いいたします>>