Hellfire Shorty (510)

ECC以降、なかなか時間が取れずブログの更新が出来ていなかったのでそろそろひとつ。Genesisを入手、久々のHellfireです。HellfireはMegaやMiniなどGensisをかなり初期の時代からリリースしてきている老舗ですが、ドリッパーやMODなどもリリースされるなか、その入手性の低さから結構なチャンスで入手を逃してきました。現在はフォーラム上でのリスト販売に限らずWebショップでも入手可能になっていますので、リストに並ぶ必要はなくなったのですが、在庫補充のタイミングがまたこれ微妙…。運良く在庫を見つけたときには買わないと一生巡り会わないかも知れません(笑
そんな中、今回はハイブリッド版で人気だった”Shorty”の510版が登場。運良く入手することができました。

■基本仕様など
直径 22mm
高さ 28.5mm(接続部を含まず)
重さ 44g
材質 ステンレス
タンク容量 50ドロップ(1.5~2ml 程度)
ウィックホール シングル/4mm/2.5mm/1.5mm
エアホール 1mm/1.2mm
Hellfire Shortyは、いわゆるスタンダードな設計だったMega/Miniから数年、はじめての大きな仕様変更が行われたGenesisです。また、Hellfireといえばそのタンク部分の固定方式がその後リリースされた多くのGenesisタンクに影響を与えたわけですが、このShortyではまた新発想のタンクを持ち、デッキのデザインも新しくなったまったく新しいGenesisに仕上がっています。
いつもどおり上から見ていきます。
トップキャップはドリップチップの接続部分が少し盛り上がったデザイン。この手のデザインってよくありますよね?なぜフラットにしないのかと思うかも知れませんが、キャップの裏を見ればすぐにその答えがわかります。

その理由はShortyという名前からも分かるように、できる限りアトマイザーの背を低くすることと、そしてキャップ内部をフラットにすることでチャンバーをより低く狭くするためです。ドリップチップを保持するための高さをキャップの中に持つ場合、その分チャンバーが無駄に空間を作ってしまうため、このようなデザインになるというわけです。
トップキャップには180度の対角に1mmと1.2mmのエアホールがそれぞれあり、どちらか一方のみを使用します。Hellfireは伝統的に1mmのエアホールですが、Shortyでは1.2mmのオプションを用意。ただしいずれもややタイトなドローになります。ダイレクトに肺で吸うためには拡張の必要があります。私は1.2mmの残し、片方を1.8mmに拡張しました。

Genesisのデッキは見ただけでよだれがでそうな造りです。一見した感じではBishopのようにチャンバー内に詰め物をすることで狭くする努力ににも見えたり、あるいはVeritasのように構造そのものとしてチャンバーを狭くしているようにみえますが、デュアルコイルのVeritasに比べて、シングルのGenesisデッキなためShortyのチャンバーは体積の4分の1程度しかありません。



そしてHF Shortyが恐ろしいのは、チャンバーを狭くするという目的だけでなく、この盛りあがった部分が実はタンクになっているのです。少し写真がみにくいかも知れませんが、しっかりと奥深くまでミーリング加工で掘られているのが分かるでしょうか。
リキッドの補充はチャンバーの上部にあるオーリング付きのフタを外してドリップします。一般的なリキッドボトルを使ってドリップしてみたところ50でちょうど満タン。1.5ml~2.0ml程度は保持力があるように思います。高さがIMMO+と同じく28mm程度しかないボディで2ml近い保持ができるというのが驚きです。



デッキはセンターポールがポジティブ電極のシングルコイルです。ウィックホールはそのままならば4mm、インスレーターを使用することで2.5mm、1.5mmのウィックホールとしても使用可能です。インスレーターのサイズは仕様が不明のためみなしです。
ポジティブとネガティブ端子の段差はマイクロコイルでも標準の巻き方でも入りそうな微妙な高さです。ただし太めのワイヤーで6巻きなどは収まりきらないと思いますので、基本は3~4巻きか、あるいはマイクロコイルを入れることになりそうです。

ベースのタンク部分は特筆すべきところはありませんが、510スレッドにベースをねじ込む方式のため、タンク内をクリーニングしたいときには分解しやすくて便利です。またポジティブピンは510からデッキまで貫通していますので、高さ調節をしたときには、コイルのセットアップ前にやっておく必要があります。
■セットアップ
最初に試したのは28gの5巻き。インスレーターが取り外し可能なので、Boozeridezさんにいただいた2mmの自転車のスポークに焼いたメッシュを巻き、これをインスレーターに通しておきます。そのままワイヤーを巻き付けてからアトマイザーにセットアップしました。




ホットスポットを取り、抵抗値を確認したのちに、1mm程度に巻いたメッシュをもう1本メッシュの内側に差し込んで完成です。0.45Ωと思ったよりも低かったために少し味が飛び気味となりました。
そしてこちらがマイクロっぽくしてみたもの。これでもまだ1.0Ωに届いていません。ワイヤーは30gくらいの方がよいのかも知れません。


コットンを使ったドリッパーのセットアップに慣れてしまうと、時間の掛かるGenesisのセットアップが懐かしい感じもありますが、やはりこの手間が掛かることの楽しさ、うまくいったときの美味しさは、ドリッパーにはない満足感があります。HF ShortyはそういったGenesisの中でも比較的セットアップは難しい方ではないかと思います。デッキの狭さもありましすが、抵抗値を下げ過ぎずに細かく巻くにはそれなりのテクニックは必要です。特にメカニカルで吸う場合には最大4.2Vが流れますので、供給が悪ければ死ぬほど辛いだけになってしまいます。
ウィックホールの大きさが変えられるわけなので、SSロープを使ってみたり、Kenjiroさん発案のマイクロマイクロのウィックに挑戦したりと様々な角度からベストなセッティングを見つけるのが楽しそうなアトマイザーです。
■まとめ
Shortyのボディはどう見てもドリッパーです。フタを開けてみるとあらびっくりな特殊Genesisデッキ。そして実は2mlものタンクを持っているという、リビルダブル好きであればワクワクしてしまうアトマイザーです。ウィックホールのサイズが可変なこと、ドリップ補充が楽なこと、完全に分解したクリーニングができることもマニアの心をくすぐります。
ディアルコイルで爆煙を楽しむというものではなく、シングルで濃厚な味を楽しむことができるアトマイザーです。ただし、セットアップに失敗すれば当然最悪の味。腕が試されるアトマイザーでもあります。Genesisにこだわり続ける王道のHellfireだからこそできた作品じゃないでしょうか。今考えられるすべてを凝縮した逸品。もし入手のチャンスがあれば手にしておきたいGenesisです。


入手先: The Atty Smith £175.00
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