Opus 200バッテリーMOD (DNA200)

今回は運良く購入できたDNA200チップ搭載の『Opus 200』をベースに、これでもかという機能搭載のDNA200をレビューしていきたいと思います。
LAに到着する前からECC 2015でDNA200機の購入を期待していたものの、探し方が悪かったのかVapor Sharkを含めてどこもデモ機の展示のみ。即売しているところが見つかりませんでした。うむー、と意気消沈していたら、バッタリと会えたBrothers Reserveの兄弟にバッタリ。「あ~、Opusが1台あるかもよ」とのことだったので、その場で電話をしていただいて翌日発送。帰国の2日前くらいに友人宅へ届いたものを持って帰国しました。Opusは初売りのときに逃して「き~っ!」ってなってたので嬉しい誤算。
「25Wくらしか使わないもん。200Wとかいらね~」
「そもそもLipoバッテリーなんか信用できん」
「ファームウェアのアップデート機能だけは欲しいね。けど200Wとか一生使わないしさ」
私の周りのVaperさんの意見をまとめるとこんな感じ。実は私も少しそう思っていた張本人。DNA20-30時代が長く、まだまだDNA40で温度管理すらあまり興味なしという人にとってはまずDNA200なんぞ眼中にないかも知れません。さらにDNA40でTCしていても、やはり200Wと聞くと拒否反応が出ちゃうというのが現実かも知れませんね。
ではなぜDNA200がリリースされたのか。200Wという電力の大きさばかりをイメージされている方が多いと思うのですが、実際のところメチャメチャ高機能になっているんです。そしてシングルの18650の1本では安定供給できなかった環境を改善するため、Lipoを採用して200Wに対応したのがDNA200です。
一度先入観を外してこのレビューをご覧になってみてください。
より多くの方にDNA200の理解を深めていただけると信じています。


■基本仕様など
Opus 200
電池交換は寿命以外では行わないはずなので、バッテリーカバーを外すにはドライバーが必要です。開けてみると、中には4本コネクタのLipoバッテリーが鎮座しています。
ラジコンなどを趣味となさる方ならば3セルLipoバッテリーは馴染みがあるものかと思いますが、実は私はほとんど使ったことがありません。それでも慎重な取り扱いが必要なのは常識ですので、まずはそのあたりの注意点を書いておきます。
特に気をつける必要があるのは、セルごとにバランスよく充電ができるバランサーの存在です。DNA200にはバランサー充電器の機能がついているので、効率よくそれぞれのセルへの充電と放電が行えます。それらが眼に見えないことがやみくもに「怖い」「危険」というイメージを生んでいるのだと思います。
それを解決するのが、EvolveからダウンロードできるEScribeソフトウェアです。バッテリーの充電、放電グラフをライブで表示することができ、さらに各セルごとの表示もできるため、見た目で現在のバッテリー状況を確認することが安心につながります。
DNA200はセルごとに電圧を監視して、1Aの急速充電を可能にしています。自動的にUSB供給の電圧を判別しますので、PCなどのUSBと接続が可能です。最大の充電電圧はEscrbeで変更も可能です。また、使用時にもDNA200が各セルの残電圧の監視を続け、もし1セルがカットオフ電圧を下回った場合には電力の供給を停止します。
充電時にはバランサー機能が働いて、もし1つのセルが他セルとの電圧に差が出てしまった場合には、充電電圧を一時的に下げて、他のセルの電圧が上がるのを待ちます。これにより常に3セルのバランスを保った充電が可能です。
これに加えて、DNA200には25Aのヒューズが搭載されています。万が一ショートや過放電が発生した場合には、このヒューズが飛んでバッテリーへのダメージを排除します。バランスコネクタを使用するためバッテリー正逆問題は起きませんが、もしバッテリーの方向を間違えた場合にもこのヒューズが飛ぶことになります。(ヒューズは交換可能ですがハンダ付け技術が必要です)

■EScribe
EScribeはEvolveからダウンロード可能なDNA200のカスタマズ及びモニターが可能なソフトウェアです。こちらからダウンロード可能です。機能がてんこ盛りのため、ここではクリティカルと思われる機能だけを抜き出して説明します。
EScripeダウンロード (EScribeを使用するためにはUSBコネクタを持つWindowsベースのパソコンが必要です。)
Escribeで主にできること
全ての機能を使いこなす必要は全然ありません。ここだけは見ておこう!というところはこんな感じです。
■デバイスモニター
USBでパソコンと接続したら、まずはデバイスモニターを開いてみてください。上部のメニュー付近にある「Device Monitor」をクリックすると、全画面でモニター画面が表示されます。ここで確認すべき重要なことは、左側の「Pack」の数値が12.6V以下であること、ラジオボタンで「Cell 1」「Cell 2」「Cell 3」がそれぞれ4.2V以下で同一のラインを辿っていることです。もし、Packの数値が12.6Vよりも高かったり、あるいは各セルの電圧にバラつきがある場合には、そのバッテリーがダメージを受けているか配線上の問題の可能性が高く、使用を中止する必要があります。
また、「Board Temp「と「Room Temp」のチェックを入れてから右下の「Puff」で何度か通電を行い、ボードに異常な温度が発生していないかも確認してみてください。これをやっておくことで、少なくとも現在のバッテリーの健康状態が目に見えてわかるため、使用上の安心につながります。
■プロファイル設定
プリセットできるプロファイルは全部で8つ。好みの設定を保存しておくことで、特定のアトマイザーやコイルに合わせた設定を温度管理、ワット管理に関わらず瞬時に呼び出せます。例えば、Kanthalのデュアルコイルで巻いた0.5ΩのDerringerで25Wを使用する。あるいはNi200のシングル0.15Ωのコイルヘッドを付けたSubtankを450Fで使用したいなど、それらを詳細に設定、保存することでいつでも呼び出すことができます。
上の図では、シングルコイルのニッケルコルで巻いたGoblinを吸うための温度管理の設定です。プリヒートを少し低くしつつ温度は標準よりも少し高めにすることで、ソフトな立ち上がりでもある程度の秒数は28W付近で吸えるようにしています。チェーンしたときにもプリヒートを低くしているため、安定した吸い心地を狙うためですが、まぁ気分の問題かも知れないですが、自分の好みに合った詳細な設定が可能だということです。
また、コイルの状態もリアルタイムに確認が可能です。「Atomizer Analyzer」をクリックすると、現在の抵抗値が確認できます。左はコイル温度が室温のもの、右は通電させた直後です。ご覧のようにコイル温度が上がると同時に抵抗値も上がっています。通電をさせてみることで抵抗値を動きを見て、コイルの接点がおかしいなどの問題解決に役立てることが出来ます。
下図はプリヒートの設定を変更して5秒間通電させたときのデバイスモニターの状態です。右側がゆるやかに温度が上がっているのが分かるかと思います。
画面の上の「Upload Settings to Device」をクリックすれば、即座にデバイスに設定が反映されます。
プロファイルを呼び出す方法は、非ロック時に「+」と「-」ボタンを押し続けることでPower Lockモードにし、その状態で「+」あるいは「-」ボタンを押すたびにプロファイルが切り替わります。また、保存時にプロファイル名を指定しておけば、Derringer、Subtank TCなどの名称で確認も可能です。下の写真では、「GOB TC 480」と表示されているのが分かります。

■ファームウェアアップデート
ファームウェアのアップデートは非常に簡単です。DNA200のファームウェアがEvolve側でアップデートされている場合、スクリーンにファームウェアアップデートのお知らせが表示されます。これをクリックすれば自動的にデバイスへ新しいファームウェアが書き込まれます。
また、「Options」メニューの「Automatically Check for Updates」にチェックが入っている場合、EScribe自身のソフトウェアのバージョンアップのお知らせが表示れます。「Yes」をクリックするとダウンロードおよびインストールを行うことが出来ます。
常に最新の状態に保っておきましょう。
これらの機能以外にも、起動画面の文字や画像を差し替えたり、エラーメッセージなどの変更も可能になっていますが、ここでは割愛します。
■まとめ
DNA200を搭載したOpus 200は、今後様々にリリースされるrDNA200などのDNA200機の初物として貴重な存在というだけでなく、そのコンパクトさや堅牢さ、そしてバッテリーの持ちは十分にデイリーに使用できる性能を秘めています。Kanthalではもちろん0.2Ω以上という性能を活かして爆煙ドリッパーを載せてもよいですし、温度管理に徹底的にこだわって細かい設定をイジることも可能です。プロファイルの設定は、SX350Jに比べるとやや難しいと感じるかも知れませんが、思い通りの設定ができるという点においては嫌いじゃないです。
3セルLipoバッテリーの扱い方も注意点を守りつつ、それを目で確認しながら使用しています。DNA40ではまだ不満が残るという方には、ワット管理、そして温度管理の両面においてオススメのチップになるかと思います。

購入元: 謎 公式Webサイト:http://www.opusvapor.com/
「そもそもLipoバッテリーなんか信用できん」
「ファームウェアのアップデート機能だけは欲しいね。けど200Wとか一生使わないしさ」
私の周りのVaperさんの意見をまとめるとこんな感じ。実は私も少しそう思っていた張本人。DNA20-30時代が長く、まだまだDNA40で温度管理すらあまり興味なしという人にとってはまずDNA200なんぞ眼中にないかも知れません。さらにDNA40でTCしていても、やはり200Wと聞くと拒否反応が出ちゃうというのが現実かも知れませんね。
ではなぜDNA200がリリースされたのか。200Wという電力の大きさばかりをイメージされている方が多いと思うのですが、実際のところメチャメチャ高機能になっているんです。そしてシングルの18650の1本では安定供給できなかった環境を改善するため、Lipoを採用して200Wに対応したのがDNA200です。
一度先入観を外してこのレビューをご覧になってみてください。
より多くの方にDNA200の理解を深めていただけると信じています。


■基本仕様など
Opus 200
- 寸法 23 x 55 (62突起部最大) x 95mm
- 重量 191g
- 材質 T6061アルミニウム / ニッケル加工
- バッテリー内蔵 3セルLipoバッテリー1000mAh/11.1V (3.6V換算で3000mAh)
- 出力 1~200W (0.5~9.0V)
- 最低抵抗値 温度管理 0.10Ω、ワット管理 0.20Ω
- 対応ワイヤー Kanthal、Ni200(ニッケル)、Ti(チタン)
- 温度管理 Ni200、Tiワイヤー
- スプリング式510接続(シルバーコーティング)
- 搭載チップ Evolve DNA200(ファムウェアアップグレード機能付き)
- 大型OELD
- Escribeソフトウェアによるフルカスタマイズが可能
電池交換は寿命以外では行わないはずなので、バッテリーカバーを外すにはドライバーが必要です。開けてみると、中には4本コネクタのLipoバッテリーが鎮座しています。
ラジコンなどを趣味となさる方ならば3セルLipoバッテリーは馴染みがあるものかと思いますが、実は私はほとんど使ったことがありません。それでも慎重な取り扱いが必要なのは常識ですので、まずはそのあたりの注意点を書いておきます。
- Lipoバッテリーは通常電子タバコのMODで使用されるLi-MnやLi-ionと比較してエネルギー密度が3倍と高い。
- 3セル間での電圧の差が出ると危険。セルあたり3.0~4.2V、3セルで9.0~12.6Vまでと記憶しておく。
- 過放電についてはセルあたり3.0Vを下回らないようにすること。
- 充電時は無人にしないこと。
特に気をつける必要があるのは、セルごとにバランスよく充電ができるバランサーの存在です。DNA200にはバランサー充電器の機能がついているので、効率よくそれぞれのセルへの充電と放電が行えます。それらが眼に見えないことがやみくもに「怖い」「危険」というイメージを生んでいるのだと思います。
それを解決するのが、EvolveからダウンロードできるEScribeソフトウェアです。バッテリーの充電、放電グラフをライブで表示することができ、さらに各セルごとの表示もできるため、見た目で現在のバッテリー状況を確認することが安心につながります。
DNA200はセルごとに電圧を監視して、1Aの急速充電を可能にしています。自動的にUSB供給の電圧を判別しますので、PCなどのUSBと接続が可能です。最大の充電電圧はEscrbeで変更も可能です。また、使用時にもDNA200が各セルの残電圧の監視を続け、もし1セルがカットオフ電圧を下回った場合には電力の供給を停止します。
充電時にはバランサー機能が働いて、もし1つのセルが他セルとの電圧に差が出てしまった場合には、充電電圧を一時的に下げて、他のセルの電圧が上がるのを待ちます。これにより常に3セルのバランスを保った充電が可能です。
これに加えて、DNA200には25Aのヒューズが搭載されています。万が一ショートや過放電が発生した場合には、このヒューズが飛んでバッテリーへのダメージを排除します。バランスコネクタを使用するためバッテリー正逆問題は起きませんが、もしバッテリーの方向を間違えた場合にもこのヒューズが飛ぶことになります。(ヒューズは交換可能ですがハンダ付け技術が必要です)

■EScribe
EScribeはEvolveからダウンロード可能なDNA200のカスタマズ及びモニターが可能なソフトウェアです。こちらからダウンロード可能です。機能がてんこ盛りのため、ここではクリティカルと思われる機能だけを抜き出して説明します。
EScripeダウンロード (EScribeを使用するためにはUSBコネクタを持つWindowsベースのパソコンが必要です。)
Escribeで主にできること
- ファームウェアアップデート
- DNA200セッティングのダウンロードとアップロード
- プロファイル保存(8個まで) / 名称設定可能
- 工場出荷時リセット
- 各種メッセージのカスタマイズ / ディスプレイ表示内容の変更
- アトマイザー抵抗値リアルタイム表示
- バッテリーの特性調査/容量調査
- USB充電レート設定
- デバイスモニタ(リアルタイム)
全ての機能を使いこなす必要は全然ありません。ここだけは見ておこう!というところはこんな感じです。
■デバイスモニター

USBでパソコンと接続したら、まずはデバイスモニターを開いてみてください。上部のメニュー付近にある「Device Monitor」をクリックすると、全画面でモニター画面が表示されます。ここで確認すべき重要なことは、左側の「Pack」の数値が12.6V以下であること、ラジオボタンで「Cell 1」「Cell 2」「Cell 3」がそれぞれ4.2V以下で同一のラインを辿っていることです。もし、Packの数値が12.6Vよりも高かったり、あるいは各セルの電圧にバラつきがある場合には、そのバッテリーがダメージを受けているか配線上の問題の可能性が高く、使用を中止する必要があります。
また、「Board Temp「と「Room Temp」のチェックを入れてから右下の「Puff」で何度か通電を行い、ボードに異常な温度が発生していないかも確認してみてください。これをやっておくことで、少なくとも現在のバッテリーの健康状態が目に見えてわかるため、使用上の安心につながります。
■プロファイル設定

プリセットできるプロファイルは全部で8つ。好みの設定を保存しておくことで、特定のアトマイザーやコイルに合わせた設定を温度管理、ワット管理に関わらず瞬時に呼び出せます。例えば、Kanthalのデュアルコイルで巻いた0.5ΩのDerringerで25Wを使用する。あるいはNi200のシングル0.15Ωのコイルヘッドを付けたSubtankを450Fで使用したいなど、それらを詳細に設定、保存することでいつでも呼び出すことができます。
上の図では、シングルコイルのニッケルコルで巻いたGoblinを吸うための温度管理の設定です。プリヒートを少し低くしつつ温度は標準よりも少し高めにすることで、ソフトな立ち上がりでもある程度の秒数は28W付近で吸えるようにしています。チェーンしたときにもプリヒートを低くしているため、安定した吸い心地を狙うためですが、まぁ気分の問題かも知れないですが、自分の好みに合った詳細な設定が可能だということです。

また、コイルの状態もリアルタイムに確認が可能です。「Atomizer Analyzer」をクリックすると、現在の抵抗値が確認できます。左はコイル温度が室温のもの、右は通電させた直後です。ご覧のようにコイル温度が上がると同時に抵抗値も上がっています。通電をさせてみることで抵抗値を動きを見て、コイルの接点がおかしいなどの問題解決に役立てることが出来ます。
下図はプリヒートの設定を変更して5秒間通電させたときのデバイスモニターの状態です。右側がゆるやかに温度が上がっているのが分かるかと思います。

画面の上の「Upload Settings to Device」をクリックすれば、即座にデバイスに設定が反映されます。
プロファイルを呼び出す方法は、非ロック時に「+」と「-」ボタンを押し続けることでPower Lockモードにし、その状態で「+」あるいは「-」ボタンを押すたびにプロファイルが切り替わります。また、保存時にプロファイル名を指定しておけば、Derringer、Subtank TCなどの名称で確認も可能です。下の写真では、「GOB TC 480」と表示されているのが分かります。

■ファームウェアアップデート
ファームウェアのアップデートは非常に簡単です。DNA200のファームウェアがEvolve側でアップデートされている場合、スクリーンにファームウェアアップデートのお知らせが表示されます。これをクリックすれば自動的にデバイスへ新しいファームウェアが書き込まれます。

また、「Options」メニューの「Automatically Check for Updates」にチェックが入っている場合、EScribe自身のソフトウェアのバージョンアップのお知らせが表示れます。「Yes」をクリックするとダウンロードおよびインストールを行うことが出来ます。

常に最新の状態に保っておきましょう。
これらの機能以外にも、起動画面の文字や画像を差し替えたり、エラーメッセージなどの変更も可能になっていますが、ここでは割愛します。
■まとめ
DNA200を搭載したOpus 200は、今後様々にリリースされるrDNA200などのDNA200機の初物として貴重な存在というだけでなく、そのコンパクトさや堅牢さ、そしてバッテリーの持ちは十分にデイリーに使用できる性能を秘めています。Kanthalではもちろん0.2Ω以上という性能を活かして爆煙ドリッパーを載せてもよいですし、温度管理に徹底的にこだわって細かい設定をイジることも可能です。プロファイルの設定は、SX350Jに比べるとやや難しいと感じるかも知れませんが、思い通りの設定ができるという点においては嫌いじゃないです。
3セルLipoバッテリーの扱い方も注意点を守りつつ、それを目で確認しながら使用しています。DNA40ではまだ不満が残るという方には、ワット管理、そして温度管理の両面においてオススメのチップになるかと思います。

購入元: 謎 公式Webサイト:http://www.opusvapor.com/