Hussar RDTAレビュー
今回紹介するのは、そんな宣伝的な要素はこれっぽっちもなくて、衝撃的に美味しかったから書いちゃうっていうやつです。しかも、アンチでも何でもないですが、HUSSAR RTAを2つ持っています。その加工精度や設計、そして使い勝手を含めて私には合わなかったっていうのが正直なところ。そのため、このRDTAについてもスルーだったのです。昨日までわ。 あ、先に言っておくと、今日は前置き長いっす。
ちょうど仕事で八王子方面へ。その帰りに八王子駅にほど近い、Vape Life Gardenさんへ立ち寄らせていただきました。 オーナーの寺澤さんとコテツとごにょごにょした後、ちょうどショップへいらしていた方の手に光るHussar RDTAを発見。そして、Gardenの店員さんの手にも光るHussar RDATA。聞けば今日Fedexで届いたとのこと。その時点では「おー、Hussar祭りだったんだー」と薄っすら思っていただけなのは、その数時間後にES-Zの発売が控えていたからでもあるんです。
見せていただいた「Hussar」のトップキャプを引っこ抜いてデッキを見た瞬間。完全に一目惚れしました。うん、落ちた。そのまま壁に投げつけて凹ませれば、お詫びに買い取りますって言えるかなぁとか思いつつも冷静に、冷静に。なんでしょう、Hussarはこれまでどうしても加工精度の低さが気になっちゃうレベルだったため、今回もやっぱり旋盤を使うトップキャップについてはマシンマークを含めていつも通り感動はなかったです。旋盤を使う丸モノはポーランド製結構多くて精度高いのも多いけどなーと思ってたので、最初にHussar RTAを見たときは意外でした。(いや、ディスってるような気持ちは一切ないですよ!でもHussar好きな方が読んだら気分悪いかもですよね。すみません。)
デッキは全然マシンが違うんでしょうね。CNC加工のその姿は非常に美しく、男の子の心をくすぐる機能美、私の場合は心臓を鷲掴みにされました。デッキの姿がコレです。
で、そこからビルド祭りだなんだと、結果ES-Zの発売をWeb設定したのは、中央高速で世田谷へ戻る車中のこと。もちろん運転中なんで私は操作できません。助手席の佐野君が格安モバイルルーターを使って公開。佐野君の車酔いがひどくなって、中央の高井戸付近でしょうか、車中で佐野くんの意識が薄まってきて危険フラグ発生。M5へ到着したころには顔面蒼白でやばかった。なぜiPhoneでやらなかったんだろうと思いつつも、そこは大仕事、車酔いしてでもラップトップでやりこなす彼はエラいです。消え行く意識の中でアップロード作業をする勇姿がコチラ。
話を少しを戻すと、八王子を出る前にM5メンツに「Hussar RDTA誰か持ってない~?」と打診。『うん、あるよ』と。さすがです。じゃM5まで取りに行くわーということで、車を世田谷へ向けていく車中なわけです。このあと、佐野君には閉店後のM5で体力を回復してもらい、もう何でも食べれる!ってなったんで焼肉をごちそう。すでにES-Zは売れすぎちゃった結果、不足したBFピンを佐野家まで取りにいって、Hussar RDTAを手に帰宅したのが0時頃でしょうか。
とんでもなく巻きたい衝動に駆られつつ、翌日発売予定の「Maze V3」の写真撮影をせねば!と思い出して、そこからコソコソと撮影セットアップ。よし!Mazeと一緒にHussarも撮影したわけです。結局、このあと色々編集作業などもあって、Hussarを吸えたのは確か朝の4時頃。一目惚れしてから半日以内に吸えたわけですからとても幸せな日でした。
さてと…。とんでもなく前置きが長くなりましたが。Hussar RDTAを見ていきます。
■基本使用など
- 直径 22mm
- 高さ 20mm
- 重さ 32g
- 材質 SS316
- シングルコイル対応
- RDATA(容量 実測で0.8~1.0ml。1.5ml、20ml表記のショップもあり)
- BFピン付属
- ポーランド製
RDTAには方向性が2種類あると思うのですが、一方はドリッパーの延長線上としてデッキのジュースウェルがそのままタンクとして大きくなったもの。主にデュアルコイルも含めてタンクを除いて考えればドリッパーそのものというバクエン方向。
もう一方は、MTL要素のある方向性です。Leシリーズでお馴染みのVaponauteなど。In'SaneやNectorなんかもこの方向性にあると思うのですが、もちろんそれぞれ特色を持った設計になっていて、ユーザーにとっては限られたミニサイズで何を実現してくれるのだろうという関心が持てる方向性です。
Hussar RDTAは、この後者の方向性を持つ20mmというミニサイズのRDTAです。小型化の裏には2つくらいポイントがあると思います。まずはタンク容量。PMMAやUltemなどではタンク容量が確認できる見返りに、部材がその部分だけ異なるため余計な構造が必要になってタンク容量が減ります。もちろんガラスではスレッドが切れない上に分厚くその容量は極端に少なくなります。確実に容量が稼げるのは、Hussarのようにデッキ素材ごとパーツを分けることなく薄いステンレスでそのままタンクにしてしまうという構造です。そのドローバックは容量が見えないところではあります。これによって容量に対するタンクの高さを低く抑えることができます。ただし、20mmという高さを実現するために、その設計をもってしても容量は実測で0.8ml程度でした。これは、ウィックをどのくらいの量(長さ)をタンク内に入れるのかによって異なってきますので目安と思ってください。
もうひとつはキャップ上部のチャンバーの切り込みです。Hussarのフラットなデッキ上部はキャップ裏側のフラット構造部に密着するため、チャンバーがキャップに掘られています。Atheaの「In'Ax」や古くは「Foggatti」などに近い構造でしょうか。つまり、Hussar RDTAのチャンバーは極端に高さが抑えられています。この2つの設計によって全体が20mmという下手をするとドリッパーよりも背が低いタンクということになります。これは個人的にModderさんに拍手喝采です。素晴らしいのひとこと。25mmの高さにして容量を稼ぐよりも限界まで低くっていう思いっきりさが好きです。
前置きにも加工品質について書きましたが、RTAのときはバリを取るのにヤスリを掛けるところからのスタートでした。今回はCNCマシニングの精度は確実に私の許容範囲内に入りました。PEEKの絶縁材はお世辞にもキレイではなかったですが、これもヤスリで少し削ればいいだけなので許容範囲。
なんかもう、今日は描き下ろしですみません。ちょっと上から見ていきます。
ドリチは無視してください。Hussarの特徴敵なトップキャップのフィン構造。フィンは上に行くほど狭くなり、内部構造は上に行くほど広くなる。これにより放熱を効果を高めて、ショートドリップチップを使ったときの口当たりを心地よくしてくれます。咥えた時に、いいアトマだなーって感じられるトップです。
全体の写真もまだでしたね。こんな感じです。
小さいですよね。特にデッキ上部から上の体積が。
デッキを分解してみました。
ちょっとデッキ上部が写真でテカっていたので、色調節したらPEEKがドス黒くなってしまいましたが、実際には普通に灰色のPEEKです。ごめんなさい。ひとつひとつの加工はとても精巧ですが、パーツ数としてはそれほど多くはなく分解、清掃は楽そうです。
構造がやや分かりにくいと思いますので、デッキを上からみた説明を加えてみます。
機能が凝縮されてますが、1枚目でわかるように、エアフローはコイル付近では広がりますが、入り口では2mm幅とやや細めです。絞ったときにはMTL(マウス・トゥー・ラング:口吸い)は可能ですが、奥でウィック分横に広がっているため、絞ってもMTL感は低いです。また、全開の場合には2mm x2個とDL(ダイレクト・ラング:肺吸い)としては、爆煙を狙うような感じにはなりません。じゃあ、中途半端なのかというと、これがまたピッタリとDLなんです。その訳は後ほど。
デッキにはこの他に、ユニコーンボトルやスポイトでも問題なくジュースをチャージできる3mm穴がひとつ。その反対側には1.6mmの空気穴があります。ジュースをチャージしたときに、ここからチュっとでてくれば満タン。そしてVG高めのジュースでも余裕の空気穴ということだと思いますが、横にしたときの漏れを考えると、穴サイズはもっと小さくてもよかった気はします。
空気穴の横にはキャップを固定するためのイモネジがあり、これが1mm未満で飛び出していることにより、キャップ裏側の切り欠きと組み合わさって、エアホール調整幅以上にキャップが回らないように設計されています。また、ヌルヌルしたトップキャップが回っちゃってアトマがMODから外れにくいなんてのにも効果があります。
一瞬、キャップを閉じるたびに位置合わせが大変かもと頭をよぎります。しかも、0.8mlの頻度でしょって思ったのですが、実際に使ってみると、キャップを適当に閉じる→カチっとなる部分まで右に回す→左へ戻して全開。で、全然いけます。Velocity RDAのキャップをカチっとさせる時のイメージです。これなら苦労なく運用できそうです。
と、思いつつも、Suqonkerピンも付属しているので、そちらも試してみました。Hussarがエライなーとここでも思ったのですが、ビルドしっぱなしでもピンの差し替えが可能です。デッキ部分のPEEKのインスレーターとポジティブの部材が結構かっちりとハマっているので、ピンを抜き差ししても特に支障がありません。これ、いいです。
で、Squonkerっていうのは本来タンクをMOD内のボトルからドリッパーにジュースを押し上げるわけですが、Hussar RDTAの場合にはSquonkerのタンクからRDTAのタンク部へ補充するという。考えるだけで難しいです。そしてタンク容量も見えないことから、ジュースを押し上げてみると、案の定ジュースのチャージ穴から溢れてきちゃいました。デッキがビチャビチャに。これはもう身体で覚えるしかないですね。
結果をまとめると、BFを付けたSquaonkerでの運用は、身体でチャージタイミングを覚えるべし。ドライになってからお仕上げても、ややコイル到達まで時間がかかかります。通常のRDTAモードの場合、キャップの位置合わせは先のように難易度は高くない。ジュースチャージは穴が大きくて楽だけど、結局空気穴から溢れて満タンであることを知るので、やっぱり徐々にデッキがビチャビチャになる。と、どちらにしても身体でタイミングを覚えて行こうっていうことなのかも知れないですね。
参考までに、もしイモネジが緩んじゃったり、あるは下に張り込みすぎて出したときには、0.035インチの六角レンチでいけました。(付属してません)
■セットアップ
順番が逆になってしまいましたがビルドはこんな様子です。
上で書いたように、DLとしてはやや狭いエアドローです。これは、もしエアフローを大きくしたとしても、チャンバーの大きさが小さいため、煙を大量に生成するスペースがないためです。つまり、チャンバーの設計上、2mm x2が限界ということになるのだと思います。したがって、ビルドもあまり抵抗値を上げず、ドリップチップの下部がコイルにだいぶ近くなるため、クラプトンなど高温になるものを避けるべきかなと思います。下手をすると溶けます。金属だった場合にはフィンがあるので熱がそこまで上がらないとは思いますが。
これを考慮すると、Pico RTAのようなセットアップになるんじゃないかと思います。2~2.5mm芯、26~28g Kanthal、5~7巻で1.0~1.2Ω付近が適しているように思います。まっさーさんに怒られそうなので書いとくと、個人的にはです。もちろん全然それを外したビルドでも美味しい人には美味しいとは思いますけども。
こんな感じです。2.5mm芯、26gで5巻のスペースドコイル。マイクロにしなかったのは、横に煙を逃げさせないため、そしてエアフローがコイル付近で広がっているためです。
ある程度長めのウィックにしました。Squonkerだともしかしてウィックをもう少し短くした方が吸い上げに掛かる時間が減るかもしれません。
ウィックを差し込んでジュースを補充。ワクワクしますね。
はい!もちろん溢れさせてしまいました。慣れが必要。
ビルドの難易度は低いですが、デッキが仕切られているため壁が高くなっています。そのためネジを緩めてワイヤーを通そうとしたときに、相当緩めないと26gでも入りくいです。クラプトンだと厳しいかも。(そういうときはNarrow Claptonがオススメですよ!)
■まとめ
吸い心地は、MTL~狭いDLの中間という、私の好みにドンピシャでした。煙量はビルドがおとなしくなるので中程度、味の濃さは中の上でしょうか。ただ、これ以上濃くてもジュースによっては濃すぎるので、私にはちょうどいいです。清涼剤が高くてスカっとするフルーツ系よりは、バニラ系やタバコ系などの、甘さを味わえるものの方が向いているように思います。
うんちくを垂れない場合、「濃くて美味しいですよ!」という言葉になるかと思います(笑
Hussar RTAはこれまで2回購入して試行錯誤を繰り返しましたが、デッキの高さが上過ぎることと加工品質で敬遠しちゃっていました。その全てを覆してくれたのが、この「Hussar RDTA」です。ポーランド製品はMODを含めて色々持ってますが、なかなかやってくれますね。
これまでの製造本数は500~600本くらいなのでしょうか。FBグループ以外での入手はなかなか困難なのかも知れませんが、なんかゴニョゴニョはしているみたいなので、そのうち国内でも手に入るといいですね。
今日はダラダラとした文章ですみません。案外長くなっちゃったな。。。
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