KRMA RDAレビュー

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久々のレビューです。どんだけ久々なんだっていうくらい久々ですが、今回の製品はカナダのメーカー、MISSION XVの『KRMA RDA』。メーカーと書いてしまうと冷たく聞こえるかも知れませんが、ベストなRDAを製造しようと設立されたModderマイケル、ビジネス面を一気に手がけるAaronによって昨年から活動を開始した会社です。そうは言っても市場に溢れるRDA、どのあたりが違うの?と思うかもしれませんが、これがまた要所々々に惚れちゃう設計が盛り込まれていたりします。

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■基本仕様など


KRMA RDA
直径 22mm
高さ 25mm(ドリップチップ付、510接続部を含まず)
重量 27.7g(デルリンキャップ時 19.4g)
シングルコイル
容易なBF/非BF切り替え
BF時の漏れ防止設計
デュアルエアフロー
PEEKインスレーター

付属品
KRMA RDAデッキ 1台
ステンレスキャップ+ブラックDerlinドリップチップ 1台
Derlinキャップ+Ultemドリップチップ 1台
オーリング合計4本、非BFプラグ 4本

すでにいくつか魅力的な用語が出てきていますが、これは後ほど説明します。そして写真からも分かるように、キャップは標準のステンレスキャップ+ブラックデルリン、これに加えてデルリンキャップ+Ultemドリップチップチップも付属しています。通常はオプションでこれらのパーツを購入しないとならないところ、これは嬉しいですね。

それでは上から見ていきましょう。


■トップキャップ+ドリップチップ


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ドリップチップはブラックのDerlin、そしてUltemの2本とも同サイズ。高さ5mmのショートタイプですが、外径は12mmとやや大きめ。そして、810のような大口径かと思いきや、ボアは6mmと比較的おとなしめです。最近わかったことなんですけどね、どうやらこの歳になって肺活量が落ちたのか、あるいはノスタルジー的に狭いエアホールを求めるサガなのかは自分でも不明ですが、個人的にはMTLギリギリのDLで吸うのが趣味。したがって、Pico V2でも最大限で5mmボアになったわけですが、スコンカーで味わうRDAなので、この6mmというサイズは、クラプトンなどで吸うことを想定すると実はジャストミート(あれこれって死語?)に良い気がします。

ドリップチップは高さ5mmですが、2.7mmほどキャップ側にリップがあり、くわえ心地は5mmながら約8mm、さらにキャップ上部に緩い傾斜がついているため非常に具合がよいです。

もちろん、510なので好きなドリチを装着すればよく、そこはお好みで。ただしストックのままできちんと計算された美味しさが実現されています。まずはお試しいただくのがよいかなと思います。

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キャップ自身の形状はかなりのシンプルさ。MISSION XVのコンセプト自体がミニマルデザインですので、まさにそのままなわけですが、シンプルさゆえにキャップを外す時に引っかかるがなく、デルリンキャップの場合には指が滑ってしまう傾向にあります。特にビューティーリングを使用している場合は指で挟めるエリアが小さくなりますので、濡れている指では開けるのが難しいかと思います。だからなんだっていう話かも知れませんが。

エアホールはステップダウン式と呼ばれる設計のため、かなり高い位置についています。これについてはデッキの方で説明します。


■ビルドデッキ


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クラプトンが可能なややワイドなシングルコイル用デッキ。パッと見にはそれで終わっちゃう話なのですが、『KRMA RDA』は特筆すべき点が結構あります。

その特徴は

  • スコンク時に漏れない特殊設計
  • ステップダウンエアフロー
  • 音鳴りを最小限に
  • 非BFピン格納
  • コイリングガイド
  • フラットヘッドのワイヤー固定ネジ
  • 太いクラプトンでも差し込みやすいポスト
  • 深いジュースウェル

デッキのみでこれだけ特徴を書けることって少ないと思うのです。ん?なにそれっていうものもあると思いますので説明していきます。

まず、デッキ本体はぼぼ全バラ可能です。珍しいなと思ったのはネガティブまで外せることなのですが、これはポジ側を外して理解しました。ネガ側が固定だと指が入らない(笑 

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ちょっとスケルトンみたくやってみましたが、これがステップダウンエアフローです。上の矢印部分の無段階調節の穴からエアーが入り、直下にあるデッキ側の吹き出し口へと流れていきます。もちろんこれはRBAに古くからある機能でもありますが、2世代目とも言える昨今のスコンカーブームではあまり見なかった設計かも知れません。

主に音鳴りを防ぐ役目がありますが、さらにスコンカーではボトルからのジュースを出しすぎたときにエアホールから漏れてしまうのを防いでくれるという利点があります。

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さらに、エアーの吹き出し口が高い位置にあり、前にせり出しているのが分かるかと思います。つまり、ジュースをスコンクし過ぎた場合でも、エアホールが飛び出していることでジュースが逆流することを防ぎ、もしその第一の壁を超えた場合でも、ステップダウンにより相当量のジュースを補充しない限り漏れることがないという設計です。もちろんキャップはダブルオーリングですので、やっちまった時の漏れ耐性が抜群に高いと言えます。

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エアーの吹き出し口は2箇所がずらして配置されています。FLAVE Tankでも同様にこのズラシが流行っているのかしらと思ったのですが、味に対する利点はまだ短期間の使用の中では結論はでませんでした、逆に言えばズレていることの弱点が見当たらないとも言えます。

割りとじっくりとその理由を考えてみたのですが、幅広になるクラプトンワイヤーに対して、幅広くエアーを当てることで温度が上がりすぎるのを抑止する機能があるのではないかと予測します。さらにステップダウンのエアフローという設計もキャップ温度を抑える役割もありますので、これらの組み合わせによって、これまでにない快適な使い心地と味を実現しようとしているのだと考えます。

ここまで読んで、段々とKRMAの機能美にグッと来始めたんではないでしょうか。ここで物欲プッシュをさらに進めますよ。

ここ最近、様々なシングルコイル対応のRDAをいじっていますが、クラプトンに関わらずポストの壁が高いエアホール内蔵型のポストでは、ワイヤーを位置決めして固定するために、ネジをネガ・ポジ両方とも外すことになったり、そうでなくても片方を外すという経験が多くなってきました。それほど頻度のある作業ではないので大きな問題ではないですが、やっぱりネジを落として見失う事故は特に私は多いです。はい、不注意なのです。

KRMA RDAのポストはよく見ると、ネガとポジで形状が異なっています。

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左のポジティブはクローズドタイプですが、ネガティブ側はサイドからワイヤーを差し込めるようになっているため、太いクラプトンでもさほど苦労なくポジ側さえ差し込めば、もう一方は簡単に差し込みが可能です。また、やや分かりにくい写真で恐縮ですが、ジグや3mm程度の精密ドライバーなどを置くことが出来るガイドの溝がレッジに彫られています。これにより、柔らかい単線でも比較的ワイヤーの位置決めがしやすくなっています。

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皆さん恐らく、デッキを見てからワイヤーの巻く方向を決める方がほとんどだと思うのですが、ポストの位置、エアホールの位置をみてコイルの足が無理のないポジションに置きますよね。KRMAの場合には、ややとまどうかも知れません。私もその1人でした。

なんで悩んだかというと、絶妙なエアホールの位置により、コイルのレッグの上にコイルがあっても、下にあっても実は調節してちょうどよさそうなところに来るからなのです。その分、あれ、どっち巻きだろう?ってなる人もあるかと思います。はい。どっちでも大丈夫です。

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普段からちゃんと注意深く観察してから巻けばいいのですが、コイルを巻いてから、「あっ」ってなることありますよね?KRMAの場合にはそれがないように思うんです。そういう絶妙なエアホールとポストの高さの関係です。

さて、もろもろ説明をカバーできたと思うのですが、非BFピンの格納についてはデッキの下部の話になります。

■デッキ裏


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お恥ずかしい話、Modderのマイケルと最初に話した時点でも、サンプルを手にした時点でも実は理解してなかったのですが、全バラシして理解しました。届いた時点の『KRMA RDA』は、そのままスコンカーに乗せられるスコンカーレディな製品です。じゃあ普通のメカチューブとかだとどうするのかなと思って、スペアパーツのバッグをみたところ謎のイモネジ4本。あれ、BFピンしかないのコレ?って思ってから、「あ~!」ってなるまで約5秒。謎が解けた時は気持ちよかった。

デッキの裏をよく見ると、ちっさいイモネジが格納されています。そして、スペアパーツにはとても細い六角レンチが。

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この小さいイモネジをBFピンの真ん中にねじ込むことでスコンカーの供給を止めてくれます。そして、使わないときにはこのデッキの裏にある格納場所に固定しておくことができるというギミックでした。

いやそんなに無くさないかもよと思いつつ、4本のスペアがありますので、私のように不注意な人でもたぶん大丈夫です。ただ、ちょっと不安になったのは、この六角レンチ、測ってみると0.8mmで、ミリ規格の六角だと0.7か0.9になってしまうと思いますので、これを無くすと詰んだ、ってなります。イモネジを2本減らす代わりに六角が2本入っていると安心だったかもです。

また、あまり全バラする以外に外すことはないと思いますが、ss316のポジピンの六角は3mmとやや大きめです。これは付属していませんので必要な方はご自分で用意してください。

3mmのチョイスは内部にイモネジを持つという理由から仕方がないかも知れませんが、例えばMOD側のポジピンが妙に細い場合、Check Atomizerになる可能性はあります。スコンカーではない通常のMODを使用してる中で1回これにぶつかりました。スコンカーの場合には内部にジュースの経路があるため、ポジピンが細すぎるという問題には恐らくぶつからないと思いますが、非BFで使用することを考えている場合は、やや注意が必要です。

ちょっとアレですね。イモネジだけで本当に漏れないかもチェックしておきましょう。

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BFでピンにイモネジをねじ込んだ状態で、粘度の高いVGではなく真水をデッキに浸しました。その下にはわかりやすいのようにティッシュを敷いてあります。これで3分。どうやら漏れは全然ありません。5分経過してもほんのわずかにも水が染みることはありませんでした。これなら安心ですね。

以上が全体的な説明となります。


■じゃあ巻いてみよう


まずは単線で性能のほどを試してみます。PromistワイヤーのNI70、25gを3mmで比較的スペースを開けて7巻、0.85~0.9Ωくらいになります。コットンには先日から使い始めた、チタニウムファイバーコットンを使用しています。

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吸い心地としてはシルキーな部類になるのだと思います。単線なので比較的荒々しくはなるはずですが、抵抗値がやや高めなこともあり大人しく、それでいてしっかりと味が感じられます。スペースドコイルにすることで幅広くエアーを受け止めてくれているからでしょうか、味に角がないように思います。そして、ステップダウン方式により漏れることはなく音鳴りがしないのも優秀です。ただし、ジュースを補充しすぎれば、やはりコイルの隙間にジュースが多すぎてスピットバックを起こすことになりますので、ストックのままだとやや「アチッ」という瞬間がありました。やっぱりクラプトンですかね?

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今度はNarrow Flat Claptonで組んでみました。3mm軸で6巻。これで0.35~0.4Ω程度になります。丁度よさそうですね。組むときにはポジ側を先に差し込み、サイドからネガを差し込んで、ネジを外すことなくセットアップが可能でした。

単線と逆にコイルのレッグの下にコイルが来る巻き方にしていますが、前述のように巻く方向に限らずピタリとエアホールの真ん中にコイルが来てくれます。ビルドで悩む部分がほぼないことに好感が持てますね。

吸い心地については、やはり単線と比較してさらにシルキーに感じます。スペースドではなくなった分、スピットバックも減って、角のないクラプトンらしい柔らかい味わいです。そしてステップダウンとエアホールのズレによる効果でしょうか、ステンレスキャップの温度が、いつもなら、ちんちんに熱くなるところが指で触れる許容範囲です。また、生成された蒸気の温度が気持ち低いからか、バクエンというよりは少し抑えめのクールさがあります。お好みでクラプトンの種類などを使わけることで温度を高めることも可能だとは思いますし、このあたりは試行錯誤の上で好みの味に仕上げていく楽しさなのではないでしょうか。いじりがいがある。という点において私は大満足しています。


■まとめ


まず、何と言っても「で、他と何が違うの?」という問いかけに、話し始めるとどんどん出てくる引き出しの数が『KRMA RDA』の特徴になるかと思います。このレビューも長くなるつもりではなかったのですが、気づくと結構書いてますね。

製品の価格帯ですが、北米価格で$90程度。日本国内では消費税と送料などを勘案して、その分高くはなりますが、それでもハイエンドというラインからはやや低めの価格設定になるのではないでしょうか。そう考えた時、キャップのオプションを買わずに済むというのは結構でかいと思うんですね。特にステップダウンでもアッチッチだよって思ったときにはデルリンキャップにできますし、ドリップチップも他への使いまわしを考えても非常にリーズナブルな価格設定だと言えます。

ギミックの多さは味わうときの満足度をより強固にしてくれますし、ビルドの選択肢の多さもチャレンジ精神をくすぐってくれます。そしてボーっと何も考えずにそのまま巻いて吸うだけで、普通にめっちゃ美味しいと思います。

あとの問題は入手性…。ビジネス面では現在、佐野君に卸を含めて交渉してもらっていますが、ファーストバッチについては非常に少量。セカンドバッチ以降で一般小売と卸も検討しています。うまくいけば、近々いいニュースをPromist VaporのFacebookページで告知できるかも知れません。

どうか皆様のお手元にお届けできますように。

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