Lost Vape Orion ディープレビュー

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待ちに待ったLost Vapeの『Orion』をようやく入手。業界初となるEvolv DNA GOを搭載したポッドシステムというだけでヨダレが出そうなのですが、チップセットについてはまだ情報が少なく、他のDNAチップのようなデータシートが流通していないため、レビューもまだ「うん、美味しいね」的なものが多いのが現状です。

それでもこのブログでは、なるべく掘り下げてレビューをしていきたいと思います。とは言え、なんせ仕様が判明していないので、やや的確性に欠けるかも知れないことはご理解ください。でも私は信じてます。これはイイものですw

ポッドシステムはJUULに始まりタケノコのように新モデルが登場、そらまぁ酷いもの~なかなか出来る子まで、今ではひとつの市場を形成するまでになっていますよね。その裏には米国のFDA、EUのTPDによる規制があり、ユーザーからの声に押されてというよりは、メーカーとしてのスコンカーとポッドへ行かざるを得ないという現実があるわけですが、いよいよ充実し始めるのかしら、という状況ではありました。

そんな状況のなか、なんとDNAチップを搭載したポッドシステムが出るって思ってました?いや盲点でした。ほ、ほしい…。でも、DNAをどうやって載せんのって思っていたら、なんとポッド機専用に開発したという「DNA GO」が登場したわけです。ちょっとこれは事件ですよ。どんな製品なの!!


Lost Vape Orion DNA GO


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■仕様など


寸法:76.2mm(ドリップチップ込:93mm) x 37mm x 13.5mm
重さ:約87g
フレーム:ステンレス
パネル:カーボンファイバーまたはシェル柄
バッテリー:内蔵 Li-Po 950mAh
充電レート:1.0A(45分の急速充電)
最大出力:40W
タンク材質:PC-110(食品グレードのポリカーボネート樹脂)
タンク容量: 2ml ※以下のレビュー参照
コイル:SS316L(0.25Ω/0.5Ω)
チップセット:Evolv DNA GO
制御方法:VW(可変ワット管理)40W / "Replay"
ファームウェア:EScribeによるアップデート機能及び各種管理機能
パフカットオフ:5秒

付属品

  • Lost Vape Orion本体:1台(0.25Ωタンク組み込み済)
  • スペアタンク:各1個 0.25Ω / 0.5Ω(組込済0.25Ωと合わせて合計3個)
  • USB充電ケーブル:1本(DNAのファームウェア管理には別途データケーブルが必要です)
  • ストラップ:1本 

別売の追加ポッド

  • 0.25Ω (2個入)
  • 0.5Ω (2個入)


■特徴

  • "パーフェクトパフ" を再現する特許Replay機能
  • DLとMTLプロファイルの自動切替
  • 無段階エアフロー調節
  • 3段階のパワーを切替(最大5段階x2)
  • ブースト機能
  • ドライヒット抑止
  • EScribeによる設定とファームウェアアップデート

ん?んん?ってなりますよね。ポッドシステムとしては完全にオーバーキル?そしてカタログ上からは分かりにくいのですが、Replay機能は「温度管理」でもあったり、その他にも隠れた機能なんかがいくつか存在します。

「ポッドシステムは人気のないところでステルス的にサクッとニコチン摂取用に使うんで、そもそも高機能なんかいらんですよ。ちゃんと動いて漏れなければいいっす。」恐らく、これが多くのポッドユーザーの意見じゃないでしょうか。でもね、ジュルったことないですか?朝と夜で味が違うことないですか?あまりにも味がMuteされてませんか?通常のデバイスとポッドシステムの2本持ちになってませんか?容量足りてますか?補充面倒臭くないですか?

なんて、ふと思うことないですか?

逆に高機能だと困ること、あんまりないかと思うんです。もちろんMinifitに比べれば本体サイズでは大きくなりますが、そこそこの小ささでオールマイティな利便性と超優れた味の安定性。それを引っさげてデビューしたのが『Orion』です。

実際に手にして使ってみると、これまでとは違ったVapeの未来が見えてきちゃうから不思議。おのずとOrionを手にした人は全機能を使うことになるんじゃないかなと思います。

その高機能を使うも使わないもユーザー次第ですが、それでもOrionがポッドシステムの革命児なのは間違いないでしょう。

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■Orion本体

ちょっと見た目はトランシーバーみたく見えますが、実はめちゃくちゃ小さいです。比較写真でみてもらうとイメージが湧くかと思いますが、13.5mmと薄いためポケットに邪魔にならずに収まるコンパクトサイズ。PODは2mlですが、これは欧州向けや米国向けの本体のみバージョンと一緒に販売されている2mlバージョンの2種類があります。日本国内で販売されるのは3mlバージョンとなります。(ということになってはいるのですが、実際のところはTPD版も含めて現在のところは2.6mlに一本化されています。日本国内で販売されるものも当然2.6mlです)

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ステンレスフレームのため筐体はしっかりとグラつくこともなく、ボタンスイッチも初期の頃のLost Vapeにありがちだったボタンの「むしゅむしゅ感」はまったくありませんでした。ファイアボタンにはクリック感がきちんと伝わってきます。同じくLost VapeのTherionに近い感じでしょうか。フレームにはシルバー、ブラック、ゴールドの3種類、パネルにはカーボンファイバーかシェル柄の組み合わせでバリエーションが楽しめます。本体を振ってもカチャカチャと音がすることもなく(恐らく個体差はあります)、物欲は結構満たされるんじゃないかと思います。

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なんといっても特筆すべきなのはEvolv DNA GOの搭載ですが、そのためにポッドシステムとしてはやや高めの価格に設定されているのは仕方のないところ。昔でいうところのアレです。ペンタイプをちょこちょこ買い足すなら、最初からProvariを買っちゃえば物欲が収まりますっていうアレ。

Orionについてもまったくその通りで、複数のポッドシステムを経ても、結局は自分の好みに少しだけマッチしていなければ物欲の旅が終わらないわけですから、運良く旅の途中でベストマッチが見つかった人以外は、Orionに行き着くまでにどのくらい無駄遣いするかっていう話だと思います。

Orionの本体フレームはステンレス製で剛性に優れています。パネルはカーボン、タンクはプラスチックなため総重量は87gとそこそこ抑えられていて、小さいながらホールド感もよく、小さな精密機器が手のひらにすっぽり収まっている幸せ感があります。

サイドの片面にすべての機能が並べられています。上から、タンクをロックするスライドボタン、ファイアボタン、調節ボタン、microUSBポートがあります。調節ボタンの上には小さなカラーLEDがあり、これがとても重要な役割をします。

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タンクは先に外側をはめてから内側でロックをしますが、JoyboのYoutubeを見ていて、タンクがロックされるときの「カチっ」という感覚に惚れ込んでいたので楽しみにしていたんですが、実際にやってみるとこれが結構固い。超固い!普通にスライドロックを使ってタンクをはめてからボタンを戻すっていう方が楽に感じました。

ファイアボタンは5回クリックでロックをON/OFFできます。Lost Vapeと聞くと、初期の頃の「ESquare」でボタンクリック感がなくて「むしゅむしゅ」してたのが思い出されますが、Therionなどの時代以降はしっかりとクリック感があり、Orionでもこのあたりはしっかりとしています。特にストレスはありませんでした。

サイドのボタン位置も、特に違和感はありませんが、同梱のストラップを装着すると、やや押しにくくなる気がします。私自身はストラップやケースに元からあまり興味がないのでアレですが、お好きな人はやや注意が必要です。

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操作エリア

ボタンをクリックするたびに、プリセットが切り替わり、デフォルトでは3段階をそれぞれ切り替えることができます。3段階(白→青→赤)で徐々に出力が上がります。また、DL、MTL用に2つのプロファイルが独立しているため、合計で6つの(初期設定の場合)プリセットが用意されています。タンクを交換するたびに抵抗値が計測されてプロファイルが自動で切り替わります。

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Orionのデフォルトの設定では以下のようになっています。

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BoostとWarmthについては仕様が出ていないのですが、これまでのEScribeの画面から予測すれば、Boostは「ワット単位で出力を増加」、WarmthはDNAで言うところの「Preheat Punch」に近いものかと思います。

初期設定でのDLとMTLの出力の差は、思ったよりもついていないなというのが正直な感想ですが、のちほどEScribeの項目で設定を説明しますね。

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小さなLEDの下にあるのが「調節ボタン」兼Replay設定ボタンです。押すたびに設定されているプリセットが切り替わり、対応したLEDカラーが点灯します。好みのプリセットに切り替えて吸い始めたら、ちょうど美味しかったというパフの直後に「調節ボタン」を3秒間押し続けてください。LEDがグリーンに点灯したらReplayの設定が完了です。それ以降はファイボタンを押して吸うたびに、LEDはグリーンで点灯してReplayモードになっていることを表示します。

基本、Orionでは常にReplayモードは有効にしておくことをオススメします。コイル温度が上がったり、ジュースが底をつきそうになったときでも、Replayがオンになっていれば味に変化も与えず、またコットンが焦げることもありません。最後の一滴まで吸ってもコットンがまったく焦げないです!なんか煙量が減ってきたなーと思ってタンクをみたらジュースがすっかり無くなっていたというくらい変化に気付かないんです。ホントに。


■充電について

Orionのバッテリー容量は950mAh、15~20Wで使用していればほぼ1日持つ容量ですが、なるべくこまめな充電はするようにしています。

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まず、残電圧のチェックですが、ファイアボタンを2回クリックでLEDが点灯して、その色で残量を表示するようになっています。15%以下になるとLEDが点滅して動作が停止します。赤くなったら早めの充電が必要です。

Orionの充電レートは1Aです。実測で0.8Aくらいでしたのでまぁまぁでしょうか。1A以上のアダプターを使用していれば容量が950mAhですので1時間程度で満タンになる計算です。ただし、パソコンのUSBに接続した場合、USB 2.0のポートだと出力は0.5Aまでしかできないため、充電時間は約2倍掛かってしまいます。USB 3.0ポートを使用するか、1A以上のアダプタやモバイルバッテリーなどを使用すれば急速に充電可能です。(0.5Aでも時間がかかるだけで問題ありませんが)

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■タンク(カートリッジ)


タンクはポッドシステムで同様によくあるポリカ製の半透明なブラックですが、金属製のエアフロー調節(AFC)と固定式のマウスピース。そしてジュース補充用の金属キャップが一体式となっていて、内部にステンレスコイルが仕込まれています。これ丸ごと使い捨てと考えると、勿体無いような気もしますが、推奨で2週間、Replay機能を使えば1ヶ月はタンク交換の必要がなさそうなので、月に1個消費であればそれも悪くないかなとは思える範囲でしょう。

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抵抗値はDL(Direct Lung)用の0.25Ωと、MTL(Mouth to Lung)用の0.5Ωの2種類が用意されています。本体をキット購入すると、0.25Ωと0.5Ωの両方が付属していますので、補充前に両方試してみることができます。なぜ2種類だけなのかですが、、なぜステンレスワイヤーなのかはDNA GOの機能に密接に関係していますので、これについてもチップセットの項目て説明させていただきます。

ドリップチップは使い捨てのため、残念ながら510規格ではありません。その下には回転式のAFCがあり、無段階に調節ができます。DL用、MTL用のタンクが用意はされていまずが、AFCやドリチについてはまったく同じもののため、MTL時にはほぼ全閉に近い形での運用が必要です。

ドリチの内径は4.8mmとやや太めで、AFCは幅最大5mm x 高さ1.3mmほどありますので、相当ドローを軽くすることができます。感覚的には半分開放でも相当すかすかです。ステルスVapeでこっそり吸うというよりは、通常のタンクなどと同様に思いっきり吸うことができます。

ただし、Lost Vapeのマーケティング的には、OrionはDL兼MTLなデバイスとなっていて、MTLコイルでSaltニコチンすら薦めているのですが、これを実現するためには、AFCはほぼ全閉にして隙間が空いているか空いていないかの状態で1mm~1.2mmくらいのドローのイメージです。

また、全閉にしてもわずかに吸いこめるため、初めてタンクを使う時には、AFCを全閉で5回ほどロングドローしてジュースをコイルになじませるのに丁度よい按排です。

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MODとの接続部はポッドシステムらしく2つのブラス端子があり、これがMOD側の電極と接触して通電します。タンク容量は一応2mlと3ml版が存在することにはなっているのですが、実際のところは、現在のところどちらも実測で2.6mlになっています。日本国内で販売されるタンクについても2.6mlとなります。

コイルにはSS316、オーガニックコットンがウィックとして使用されています。リビルダブルについては、なんとかタンクを分解できないものかと試してみましたが、残念ながら接着剤で固定されているため、熱や溶剤などを使って外せとしても、再び密閉するためには再度接着が必要となるためリビルドする現実性は限りなく低いです。ここが、Orionの唯一の弱点と捉える方もいらっしゃるかと思いますが、ポッド寿命で考えれば月に1個であれば、コスト的には許容範囲内と思います。


■DNA GO

では、DNA GOについて詳しく説明していきます。
どうせ設定とかしないし、面倒くさい~って方は読み飛ばしてください。

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Vapeを長年嗜んでいる方でEvolv社を知らない方はほぼいらっしゃらないと思いますが、最近始められた方などには、あまり馴染みがないかも知れません。念の為おさらいしておきます。

Evolv社は、2012年に発売した「Darwin」で初めてVape市場に「ワット管理」という概念を搭載したMODを発売して脚光を浴びた会社です。その後、メカニカルMODで使用するための「Kick」を経て、「DNA」シリーズのチップをDNA20、30を発表、DNA40ではいよいよ「温度管理」という概念を初めて投入しました。その後もDNA60、DNA75/75C、200/250Cなどをリリースして、様々なMODに搭載されています。

Evolvの会社規模は約30名ほどと小規模ながら、オートメーションを積極的に行って開発から製造までを、全て米国内で行っている会社です。

新チップのDNA GOは、ワット管理、温度管理の次の一手として開発された「Replay」機能を搭載した新しいDNAシリーズのチップ。他のDNAシリーズのようにスクリーンなどはなく、MOD本体の内部に仕込まれています。Lost Vape Orionは、このDNA GOを初めて搭載したリファレンス機に近い位置づけとして市場に初めて出てきた製品です。

DNA GOに搭載された「Replay」機能は、DNA250C、DNA75Cで登場した機能ですが、最大出力40WのDNA GOは、Replayを搭載したDNA 40とも言えるかも知れません。ただし、スクリーンやいわゆる温度管理などは行なえません。


■Replay機能


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Replay機能を簡単に説明すると、「ひとつ前のパフを何度も再現する機能」。それって、Orionのようにプリセットで「ワット管理」のデバイスでは結局意味ないんじゃ?と思いますよね?そうではないんです。そして、このあたりからややこしい話になりますのでご覚悟を。

ちなみにReplay機能はDNA 250c、DNA 75Cにも搭載されていて、同様にステンレスワイヤーなどでほぼ同じ動作をします。これらのDNAをお持ちであればファームウェアをアップして試してみてください。

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例えば、12Wでブースト+2W、Warmth 5で設定していた場合、ワット管理なのでOrionはその設定通りのパフを提供します。このとき、室温、ワイヤー温度、ウィック状態、湿度やその他の室内環境によって得られる結果は異なります。味が今ひとつだったので、プリセットを切り替えて好みにセットします。ちょうどよいと感じたら調節ボタンを長押しします。LEDがグリーンに変わって、これでReplayがセットされました。

これ以降は、部屋の温度が変わっても、外へ出て温度がいきなり寒くなっても、ファイアボタンを押すたびに記録したときと同じ味が再現されます。もしウィックがほぼジュース切れになったとしても、最後までReplayを試みて、煙がほぼ出なくなりますがウィックが焦げることはありません。

そうです。つまり裏では温度管理が行われているわけです。

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3秒のパフ4回を表したものです。左の2回はプリセット、右の2回がReplayによる出力です。左の2回はワット管理で指定した通りの出力になっていますが、右のReplayは出力がかなり細かく上下しているのが分かります。

通常出力では抵抗値を無視してワット数をベースに電圧を出力しているためブルーのラインはスムーズですが、Replayを有効にすると今度は赤線で囲ったひとつ前の抵抗値を再現することをベースとします。この結果、ワット数と電圧を非常に細かく上下して抵抗値の再現を試みているということです。温度管理というのは、実際に温度を計測しているのではなくコイルの抵抗値を計測することで実現していますので、Replay機能が温度管理をベースとしていることがご理解いただけるかと思います。

DNA40で温度管理機能が搭載されたわけですが、Evolveのオーナーの1人であるブランドンによれば、実際のところ様々なDNAチップを使う人のうち10%しか温度管理を使用しておらず、また80%のユーザーは温度管理を一度も試したことがないという結果が出ているそうです(Escribeによるユーザー集計)

Replayが開発された理由のひとつは、これを打破するためでもあります。温度管理をする際にはリビルダブルの難しさ、吊るしのコイルでもメーカーによって内部抵抗が異なっていたり、アトマイザーのワイヤー固定も材質が様々です。さらにコイルを室温にしてから温度設定をしなければならない厳密さもあり、なかなか手を出してもうまくいかないという経験が誰しもあるかと思います。

Replayでは環境の温度やワイヤーのTCRやコイルの室温化さえも気にする必要がないという、画期的な温度管理なわけです。どんな状況であれ、そのビルドの「パフ」をそのまま基準として記録することができるわけです。そしてベースになるのはワット管理であることから、温度管理と同様に細やかにブースト機能を設定、その上でReplayを使用すればこれまで温度管理を諦めていた人でも簡単にストレスなく美味しく吸うことが出来るという機能なわけです。

■それでも必要なワット管理

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温度管理を何の問題もなく使っている人あれば、そもそもReplayが必要ないという風に思うかも知れませんが、それでもワット管理と温度管理を組み合わせることで、より簡単に美味しくいただけるようになり得るのです。

温度管理では、上の図のようにコイル温度を一気に上げ、その後フラットに温度を維持するという手法が採られてきました。しかしながら、例えば2種類以上のフレーバーがブレンドされたジュースでは(ほぼすべてのジュースがそうですが)、フレーバーごとに沸点、あるいはスイートスポットが異なるというところです。

例えば、カンタル線で徐々にコイル温度が上がることで、フレーバー(1)が最初に感じられ、さらに温度が変わるとフレーバー(2)が生きてくるなど、そのジュースを吸うときにどういう温度カーブを描くことが美味しさを決めることになるかがそれぞれ異なるためです。もちろん、吸う人ごとにそのスイートスポットが異なるかと思いますので、その好みの上がり方を決めるのが細かいワット管理になります。

Replay機能では、ワット管理によって得られたカーブを、温度管理によって再生することで、毎回同じ味を実現するわけです。もちろん、ジュースごとに好みの設定を見つけるためには、Escribeでの設定が必要になりますが、Orionには、DLプリセット3つ、MTL用プリセットが3つが予め用意されていますので、その中で感覚に近いものを探してください。

Orionは「ワット管理」のデバイスです。ただし、Replay機能は温度管理の技術が使われています。そのため、Replay機能を使用するためのコイルは、NI200、チタン、ステンレスと制限されていて、まさに温度管理を行うためのワイヤー材質になります。また、抵抗値を自動判別してDL、MTLモードを切り替えるようになっていますので、タンクの種類が2種類しかないということになります。Kanthal、0.7Ωを超えるコイルに関してはReplayが必要とする温度管理の兼ね合いから使用ができなくなっています。


■EScribe

Orionを使いこなすには、EScribeによる設定が必要です。プリセットでも構わないのですが、通常のポッドシステムに慣れている場合は、プリセットよりも少し低く設定する方がよいかも知れません。

ここから自分のパソコンに合わせて「Escribe Suites」をダウンロードしてください。


ここではWindwos版で説明しますが、ダウンロードが完了したらダブルクリックしてEScribeを任意のディレクトリにインストールします。

Escribeをダウンロードした時期によりますが、もしDNA GOを認識しない場合には、先に上のEScribeをインストールした後に、DNA GOへ対応させるためのサービスパックもダウンロード、インストールしてください。

インストール時のオプションはそのままでよいかと思いますが、ポップアっプする各種ドライバーもスキップせずにインストールしてください。

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インストールが完了したら、本体とWindowsパソコンを付属のUSBケーブルで接続します。初期リリース時にはデータケーブルではない充電ケーブルが付属している場合があり、私の手元のものも充電オンリーだったのですが、Lost Vapeさんへ確認をして、日本国内で販売されるものは全てデータケーブルになるということを確認済みです。(でもVaporさんって、みんな家にUSBケーブルがありまくりですよね。えぇ…)

本体の接続前にEScribeを起動すると、このような画面になります。この時点でケーブルを接続すると、デバイスの確認画面が表示されますので、そのままOKを押すか、後々のため名称をつけておいてください。「OK」を押すと接続したらOrionから設定内容が読み込まれて設定画面になります。

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ここまで来れば一通り準備は完了です。

それぞれの項目を設定していきましょう。EScribeの画面構成は、上の方にある「一般」「表示設定」「MOD」などのタブによって、その下の内容が変更されますが、下の画面にも「DL」「MTL」のようなタブが並ぶ場合がありますので、機能が見つからないときには下のタブに注意してください。

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最もよく使うのが、データの読み込み後に最初に表示されるこの設定画面です。下にはOrionの初期設定の3段階の管理項目が並んでいて、ワット数以外にも、Boost値とWarmthが変更できます。

ここで言うBoostとWarmthについては、仕様が公開されていないため、すっきり理解しにくいところなのですが、他のDNAチップで考えれば、通電初期にワット数を追加するもの、そしてWarmthはPreheat Punchに近いのかなと思います。Warmthに関しては、通常の温度管理で使用するときですら、デバイスモニターで見て初めてPunchがわかるという差なので、実際には微妙な差になります。Orionの場合でも1~11までの設定になりますが、実際には弱中強くらいのイメージで思っておけばよいかと思います。それをWarmth(暖かさ)というワードで表現しています。

つまり、Boostで「初期ワットを追加」、Boostが切れる前にWarmthで「キックを追加」な感じでしょうか。

また、「Color」の項目は、調節ボタンを押した時にどのプリセットが選ばれているかを表示する色を変更できます。例えば、プリセットを増やしたときにも、使われていない他の色を設定するなどが可能になります。

文字だと複雑に聞こえますので、EScribeのデバイスモニターを使って3パターンで検証してみました。

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一番下はBoostが掛かっていませんので設定した12Wのまま。下から2番目はブースト分で5Wが追加されています。また、計測したパフが3秒間なのでブーストしている時間を、幅の長さでで測ってみると、大体0.3~0.4秒間、Boostが効いているように見えます。

一番の上の計測結果は、5WをBoostした状態で、Warmthを最大値の11にしたものです。ワットのカーブの中間にパンチのようなものが入っていて、わずか0.4秒間ですが、この部分でワット数が少し上がっています。

まとめると、「OrionのBoost機能は、自分の設定した出力(W)に、Boostした(W)数を約0.4秒間掛けることができ、さらにBoostが切れる前に再度(W)を10段階(最大でBoostの半分程度)掛けることができる。」ということになるんじゃないかと思います。

これを受けて、私はどいいう設定にしたかというとこんな感じ。

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Orionは定常運転で30W、ピークで40Wのデバイスなので、Boostとの合計で40Wを超えないように設定します。超えてもカットされるだけですが。

MTLはどっちかというと本来のポッド的にSaltを使いたいので、超弱くしています。DL側はもそれなりに軽いエアドローを利用してそこまで高いワット数にはしていません。バッテリー容量が950mAhなので1日はもちますが、それでもワット数を上げていくと残電圧の減りが早くなりますので節約しています。人によって全然設定は違うと思いますので、あまり参考にならないかも知れませんが。

念の為、こちらに設定ファイルを置いておきます(http://bit.ly/2PEBD9V

話を先に進めます。

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「一般」の隣の「表示設定」では、ステルスとLock Colorの項目のみです。ステルスは通電中に現在のプリセットに対応したLEDをそもそも点灯させるかどうかのON/OFF、Lock Colorはロックであることを知らせるためにLEDカラーを指定できます。ステルスの利便性は暗闇で撃たれたくない以外にはあまり用途はないと思いますので、この「表示設定」のタブはいじる必要はほぼないかと思います。

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「MOD」の項目には、さらに「Atomizer」「安全設定」などのタブが下に用意されていますが、いじってもよいのは「Atomizer」タブのみです。それ以外はそのままにしておいてください。

ここでの項目は、Orionのプリセットで使用する基本の項目になります。「最低抵抗値」と「最大抵抗値」も特にはいじらない方がいいですが、タンクに組み込まれているコイルの抵抗値を判別して、「DL」「MTL」のプロファイルが自動で切り替わりますので、ここに設定された抵抗値の範囲内であれば反応するということになります。

その下「Profile」は、各プロファイルごとに何個のプリセットを使用するかを決めるための数値です。初期設定では3個ですが、最大5個までに増やせますので、プロファイルの「DL」「MTL」で最大は合計10個までのプリセットが設定可能になります。

これでほぼEScribeの説明は終わりですが、将来的にOrionのファームウェアがバージョンアップしたときの適用方法も説明しておきます。

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これはDNA 75を接続したときの画面にはなりますが、DNAはファームウェアのファイルが独立して存在しているわけではなく、EScribeのサービスパックという形でファームウェアが内蔵されて提供されます。EScribeを起動したときに、図のような電球アイコンが表示されてる場合、自分が接続しているデバイスでファームウェアの更新が可能であることを表しています。Click Here~をマウスでクリックすれば更新が開始されます。将来的にOrionのファームウエアがバージョンアップしたときにも同じ操作で更新が可能なはずです。


■まとめ


Lost Vape Orion』は、まさにセカンドデバイスの位置づけを独占しそうな勢いのポッドシステムです。メカニカルの爆煙、スコンカー、がっつりタンクなど、人それぞれ好みはあるかと思いますはが、メインのデバイスの他にもう一台気軽に持ち歩けるセカンドデバイスとして非常にオススメできます。

特にセカンドデバイスはビルドを攻めた結果、半日もするとビルドし直しをしたくなってしまったり、味が思うように出てないなんてこともあります。Orionはビルドのお供に、メインデバイスのお供としても信頼性のあるバックアップとしてとても優秀なデバイスになり得ます。

Replay機能のすごさは、ぜひ使ってみて実感していただきたいのですが、これまで温度管理に失敗した方でも、Tempプロな方でもバッチリ満足できるかと思います。ぜひ焦げることのないタンクを、からっからになるまで吸ってみてください。感動しますよ!

私もそうなんですが、小さなポッドでは味の追求はあきらめていた方っているんではないでしょうか。甘いの辛いのくらいはわかるんですが、美味しいジュースのなずなのにどうしても味がミュートされてしまう。まぁいいかと、そこまで追求していないところでもありました。ぜひ、OrionでMTLにして吸ってみてください。きっと美味しいジュースが吸いたくなるかと思います。

EScribeは面倒かも知れませんが、やらなくとも初期設定で十分楽しめます。

1.ジュースを入れる
2.3段階から好みを選ぶ
3.気に入ったら3秒押しでReplayセット完了

これだけでずっと美味しくいただけます。

さぁ、一緒にオーバーキルしましょう!

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