ECF - MODの爆発に関するアップデート

フロリダで起きたMOD爆発事故が大きく取り上げられたことで、ECFコミュニティが結構大きく揺れています。今後のトレンド、そして何が今確実な情報なのかを含めて世界最大の電子タバコフォーラムのECFが異例のアナウンスメントを出しました。大事だと思いますので全文訳します。
以下、ECFのアナウンスメントを翻訳したものです。
http://www.e-cigarette-forum.com/forum/announcements-rules/269461-exploding-mods-update-february-2012-a.html
MODの爆発に関するアップデート: 2012年2月
___________________________________
以下は高電圧を発生させるためにめにリチウムイオン電池2本を使った大型MODのよる事故原因に関するまとめです。最近起きている事故は、すべて金属製のパイプにバッテリーを複数内蔵させるタイプで発生しており、その他の形式では起きていません。
単一のバッテリーを仕様するMODは対象としていません。
レギュラーサイズ(小型および中型モデル)もこの危険の対象とはなりません。
____________________________________
以下は高電圧を発生させるためにめにリチウムイオン電池2本を使った大型MODのよる事故原因に関するまとめです。最近起きている事故は、すべて金属製のパイプにバッテリーを複数内蔵させるタイプで発生しており、その他の形式では起きていません。
単一のバッテリーを仕様するMODは対象としていません。
レギュラーサイズ(小型および中型モデル)もこの危険の対象とはなりません。
____________________________________
2012年初頭に2つの事故が発生し、3名のメンバーから立て続けに同じ事故の内容が報告された件、そして先日フロリダで発生してニュースでも世界的に大きく取り上げられた件は私たちのコミュニティにとってよい状況をもたらすものではありませんでした。2件ともに非常に深刻な事故であり、被害者はいずれも顔に大きなけがをして、緊急救命ERへ運ばれています。
非常に多くの種類のMODが好調に販売を続ける中、この危険な状況は現在でも改善されではいません。
以下は私たちを取り巻く現状をまとめたものです:
- ECF内では、顔に被害を及ぼす爆発事故と本体が吹き飛ぶロケット事故が過去に8件寄せられています。しかしながら、販売側へ確認してみたところその多くはECFへ報告されている事実を知らなかったり、実際に歯が吹き飛んだなどの事実も知りませんでした。そのことから、似たような事故がこれまでに起きた件数は過去に倍の15件程度は起きているのではないかと私たちは考えます。
- 爆発事故報告のすべては金属パイプMODで2本のバッテリーを直列させています。
- BOX MODは報告されていません。電気的なこととは別に、本体がプラスチックや木製の場合にはガスの抜け道が構造上存在するか、もし第一のガスが発生しても、危険な第二のガスが発生する前にフタが吹き飛んでいると考えられます。
- ECFの知る限り、単一バッテリーのMODは報告されていません。
- ECFの知る限り、レギュラーサイズの電子タバコでは報告されていません。(510、KR808など)
- 最初の報告はかなり以前に初期の2セルMODで報告されていて、今でも2セルMODでは発生・報告されています。
- 単一、複数に関わらず、リチウムイオンバッテリーは熱、ガス、炎を含むメルトダウン現象を問題として抱えています。この事実に例外はなく、「安全な」リチウムイオンバッテリーというものは存在しません。ただし、メルトダウンと爆発では影響範囲が異なり、爆発は常に金属パイプ(チューブ)にスタックさせた(直列に積み上げた)リチウムイオンバッテリーで起きています。
- 爆発原因の事実から、最も安全と思われるバッテリーは大型バッテリー。小型は安全のための能力が低く、小さくなればなるほど安全性が下がります。小型といってもRC123セル(16340)ですら、その爆発力は手榴弾と変わりません。もし顔の前で爆発したとすればその被害は甚大です。
- すべての事故報告はRC123サイズ:16340バッテリーの直列(スタック)によるものと報告されています。
- ただし、サイズに関わらずどのセルであってもメルトダウンの危険は存在します。
MODの安全機能に関するメモ
エンジニアとして数年仕事をしたことがあれば、最も基本的な法則としてマーフィーの法則が思い浮かぶと思います。失敗する余地があるならば、将来失敗が引き起こされます。
もしもエンジニアがこのことを念頭に置かず、$5のコストを削ることだけを考えてMODを設計していたならば(特に金属製のパイプ)、金属パイプを使ったMODを購入すべきではありません。また、もし2本のバッテリーを直列させるにも関わらず保護機能を持たないMOD、つまりエンジニアが設計していない素人の腕によるMODを購入すべきではありません。
そして、この場合のマーフィーの法則は、保護機能によるカットオフが機能しないことを意味します。2つの異なる保護機能が同時に働かないわけですが、そのひとつは物理的な可能なはずで、持っていない場合は設計による誤りと言えます。その結果あってはならないことですが人身被害が及びます。物理的な保護とは、MODに大きな穴を開けておきさいすれば、ガスが密閉されずに爆発は防げます。こういった配慮でマーフィーの法則は打ち破れるはずです。
ガスの抜き穴
爆発事故の報告では、すべてその構造によりガスの逃げ道はあったものばかりでした。第一段階のガス発生は約2秒間続き、高温のガスと炎が抜き穴から強く排気されています。その後、より危険な第二段階のガス発生が続き、バッテリーが重なるエリアで充分にガスが抜ける構造ではなかった場合にMODが爆発しています。ガス抜き穴だけでは不十分ということです。
また他の例では、バッテリーの接合部分に十分なガス抜き穴があり、第二段階の危険なガス発生は起きたものの爆発には至らなかったという報告もあります。この場合、MODは小型の火炎放射器のように機能し、家具や絨毯に触れた時点で火事が発生します。また、第二段階のガスの威力でMODがロケットのように飛び回ったとの報告も出ています。
これらの報告により、小さなガス抜き穴は単に警告のための機能とも言えます。もし機能的にガス抜きのための穴を設けるのであれば、第一のガスと炎が吹き出した時点で手を離してしまうような位置にするのが適切と言えます。もし爆発が引き起こされるのであれば、MODが床に落ちて顔からの距離が開いてからになるからです。
もし、ガス抜き穴がなく、バッテリーの熱が逃げる穴がなければ、なんの前触れもなくそのMODは爆発することになります。
金属製のパイプやチューブでMODを設計するのであれば、チューブ本体に3つのガス抜き穴を等間隔に開けておくのが理想的です(50mm x 4mm、2インチ x 5/32インチ)。これらのバッテリー接合エリアは第二段階のガスが爆発することなく逃げる道を提供し、底部のプラグ化による対策は必要なくなります。
小型ニサイズ電子タバコ
510やKR808などの小型サイズは金属製であっても爆発しません。これは電子的な監視と保護機能を持っていて、底部にはブロウアウトプラグを持っているためです。メルトダウンは起きてもおかしくなりですが通常考えられません。
中型サイズの電子タバコ
eGoやRivaなどの中型サイズは不可欠な保護回路を持っているため使用中に爆発するとは考えにくいです。もしブロウアウトプラグを持っているならば、より安心と言えます。もし密閉されていたとしても、単一セルであることから、そのリスクは最小です。
ただし、他のモデルに比べてメルトダウン報告が多いとも言えます。その理由は恐らく同様の保護回路を持ちつつも小型サイズに比べて低い抵抗値のアトマイザー(LR)が多様されるなど、負担を掛けた使い方が多いためだと思われます。非常に小さな回路と本体に2.5アンペアのDC電圧を掛けていること自体が電子機器としては大仕事です。また、事故のほとんどは充電中に起きています(充電器と本体の組み合わせによる問題であり、使用中の危険という意味ではありません。)充電器はすべて安全な保護機能を持っているとは限りませんので、充電中は目を離さないようにするべきです。
Mod / バッテリーの機能不全
機能不全は3つのモードに分類されます:
1. メルトダウンモード
バッテリーが溶解により熱、炎、少量のガスを発生させている状態。これはリチウムタイプのセルである限りは避けられない症状であり、どの報告でも起きています。バッテリーの過負荷により引き起こされます。
過負荷とは、過充電(故障した充電器、安価な充電器に乗せっぱなしなどで発生)、バッテリーのセルサイズに見合わない電流が要求されたとき、落下や強い衝撃、電子的な不全が起きているのに使用したり、外装が破けたまま使用してMOD本体との接触によるショート、ポケットの中でON/OFFスイッチがスタック、バッグの中でキーや小銭と何らかの原因でショート、アダプターのショートなど。様々な原因によりバッテリーに過負荷が掛かります。
2. ロケットモード
第二段階のガス発生により引き起こされる危険な状態です。爆発を防ぐためにガス抜きには適切な位置と大きさの穴が複数必要ですが、その威力は大きくガスのジェットが吹き出してMODがロケットのように飛び出します。最終的には花火のように炎を出して終演します。リチウムイオンバッテリーの機能不全は水素を発生させ、通常は熱せられたバッテリーの状態が大量の水素に火をつけて爆発につながります。
3. 手榴弾モード
バッテリーの交差エリアでガスが抜けず抜けられない場合、MODは第二段階のガス発生で爆発します。MOD構造により強度が均一だった場合は、まさにパイプ爆弾(金属の外装と内部に発生させたガスによる爆弾)と同じですので手榴弾と同様の爆発影響を及ぼします。ただし、電子タバコの場合にはアトマイザー接続部分が常に構造としては弱く、他の方向への強度が高い場合はそのまま使用者の顔に向かって爆発が行われることになります。
底部にブロウアウトプラグがあれば先にそちらが飛びます。反動で使用者の顔へも爆発の反動ベクトルは向きますが、大きな被害は生まないはずです。MODを握っていた手が底部を覆っていた場合には、もちろんその部分に怪我を負うことになります。
これらの機能不全モードのすべてがECFで報告されています。
事故のタイミング
すべての報告で繰り返し言われているのは、爆発は充電直後に始めてスイッチを押したところで起きています。
ガスの抜き穴が存在する場合、通常は第一段階のガスが放出されてから2~3秒後に熱いジェットガスが発生しています。
爆発はこの直後に起きているか(多くの場合床に落とした直後)、あるいガスが充分抜けるだけの機構を持っている場合には、爆発の代わりにガスが炎となって吹き出してロケットモードになります。ガスの発生するこの時点でMODを手から離すのが得策です。もし、ガス抜きが充分大きくない場合にはMODがそのまま爆発するからです。2~3個のガス抜き穴は決して充分大きいとは言えず、16mm(5/8インチ)程度の大きな穴がバッテリー交差エリアになければ、短時間に大量のガスを追い出すことができません。
現時点でのアドバイス
- 現時点で判明しているのは基本的な情報に限られるため、アドバイスできるのは以下のポイントのみとなります:
- より安全なのは単一バッテリーのMODを使用することです。
- 高電圧が必要な場合は、単一バッテリーで昇圧回路を利用したものが望ましい。
- 一番高価なバッテリーを購入しましょう。出費を節約するところではないです。現時点ではAW IMRの赤ラベルを選ぶのが最も一般的です。赤ラベルは安全なリチウムマンガンセルのバッテリーで、通常リチウムセルで必要とされる保護機能が不要です。その特性から爆発する恐れはなく、この時点では最も安全なバッテリーと言えます。また、熱と炎を大量に発生させるメルトダウンは発生する可能性は他と同様に発生します。その状態で完全に密閉されたMODだった場合には、爆発がまったく発生しないとは言い切れません。
- 事故の事実から、2本のバッテリーを使用する金属製のMODが最も危険だと言えます。
- ガスの抜け穴と底部のブロウアウトプラグを持たないMODが最も危険です。
- メカニカルな保護機能(穴やプラグ)を持っていない金属チューブMODを購入するときは、よく考えてから決めてください。
- MODには使用者がどのようなバッテリーを持っているかが予測できないため必ず保護機能が必要です。またバッテリーのラベルには保護機能があることが明記されていても、グッチのバッグと同様に中身と違う事はあるのだと知っておくべきです。もし赤ラベルのAWだとしても、その中身はLi-Mnなどではなく、保護機能のないLi-ionバッテリーかも知れません。
- MODは常にユーザーは謝った使い方をするかも知れないことを予測した保護機能が必要です。誰でも間違いはありますので、それを先回りした保護機能がなければ安全とは言えません。
- バッテリーの充電状態が事故を誘発することがあまり知られてなく、マルチメーターを持っていないユーザーも多くいます。MODはこれらの安全機能を提供すべきです。
- MODはメカニカルな保護機能を持っているべきです。電子機器は本来そうあるべきものです。マーフィーの法則に乗っ取り、ほんのわずかな恐れはそのまま大きな事故へつながるものとして防いでおく。
- 安価なバッテリーを購入して、保護機能の不安な金属製のチューブでれをスタックで使用する場合には充分注意が必要です。
- バッテリーにはCレーティングが設定されています。C Ratingが2amp(2,000mA)以下のバッテリーを使用しないこと。それ以下では保護がきかない可能性があります。
- 大型のバッテリーはアトマイザーへの過負荷をハンドルする能力があり、また18500以上のバッテリーでの爆発報告は過去にありません。
- すべてのバッテリーは過負荷によるメルトダウンと炎を発生する危険があります。
- MODはアトマイザーを接続したままマスタースイッチをONにしてキーや小銭の入っているポケットやバッグに入れるべきではありません。
- アダプタの扱いには充分気をつけてください。ショートさせる原因にもなります。
エコノミクス
ここまでの結果、MODの爆発はいくつかの経済的理由が関連して発生しています:
MODに大きな穴を開けてあるなど安全保護策が複数搭載されていれば爆発しません。
最適なバッテリーを入手したとしてもその中身は開けてみるまではわかりません。そんなことをすればより危険です。
$3のバッテリーは$10のバッテリーよりも危険です。
最安値のバッテリー充電器を購入することはリスクを高めていると言えます。
その都度の判断がリスクを高める危険性を持っていると認識すべきです。
MODメーカーがコストを削り、あなたが経済的に安値路線のみを追求すると、それはリスクが積み重ねられているということになります。
メカニカルと電子回路の両方で保護機能を持ったMODを選択、できる限り良質な充電器と最適なバッテリーを選択、そしてコンディションを定期的にチェックしましょう。リスクを最小限に抑える(ほとんどゼロリスクに近づける)ため、単一バッテリーを使うMODを選択、良質な充電器とAWバッテリー(か同等)を用意し、毎日状況を確認します。それを無視することはあなたの自由ですが、自分の視野にあなたはいくら支払いますか?
MODメーカーには新機能、優れたスタイルを開発するトレンドがありますが、残念ながら新しい安全機能を開発する流れを感じることはできません。ECFはそのコミュニティの力とメーカーとの協力関係により、その安全環境が提供されるべきであると思っています。
残念ながら現在そのような形で製品は開発されていません - MOD購入するときは、そのことを充分理解した上で入手してください。
ECFは、2本のバッテリーをスタックさせる設計の金属チューブのMODは、すべて3つのガス抜き穴がボディに開けられていることが望ましいと結論づけました。もし、他の何らかの原因で保護機能が動作しなかったとき、せめて爆発を防ぐことができる唯一の安全機能だと信じます。